本稿では、顧客ロイヤリティ向上ソフトと顧客満足度ツールの機能を比較し、自社の営業やマーケティングにとって最適なCRMツールを見つけるために役立つ情報をお届けします。

顧客ロイヤリティと顧客満足度の違いとは

顧客満足度と顧客ロイヤリティは同じではありません。顧客満足度は、商品やサービスについてどの程度満足しているかを示し、購入した時点における価格、品質、体験などの要素によって決定されます。顧客満足度が高いことは、必ずしも企業やブランドに対する忠誠心が高いことにつながりません。一方で、顧客ロイヤリティは、ブランドへの愛着や忠誠心を示します。顧客ロイヤリティを向上すれば、他の企業が安価あるいは高品質な商品を提供していても、自社の商品をリピート購入してくれる可能性が高くなります。顧客ロイヤリティ向上ソフトと顧客満足度ツールの違いを明確に理解し、企業の業績を向上するためにどのようなソフトウェアを導入するべきかを判断することが重要です。

営業やマーケティング部門のマネージャーにとって、適切なコミュニケーションチャネルの選択や顧客のニーズの把握、そしてサービスに関する問題の適切な対処は大きな課題です。顧客ロイヤリティ向上ソフト顧客満足度ツールに投資すれば、これらの課題を克服して業績を向上できます。しかし、自社に最適なツールをどのように判断すればよいのでしょうか?

顧客ロイヤリティ向上ソフトと顧客満足度ツールはいずれもCRM (顧客関係管理) ツールに含まれます。これらのソフトウェアは、顧客体験管理 (CXM)、顧客のセグメント化、エンゲージメントの追跡などの機能が共通しており、混同されることも多くあります。顧客ロイヤリティ向上ソフトは、ギフトカード、ポイントおよびリワードプログラムなどを通じて、顧客エンゲージメント (企業と顧客との信頼関係) を長期的に高めるために役立ちます。一方、顧客満足度ツールは、製品やサービスに関する顧客の問い合わせに対応し、顧客体験を向上させるのに役立ちます。

下の図では、これらの2つのソフトウェアの共通点と相違点について説明します。

顧客ロイヤリティ向上ソフトと顧客満足度ツールの比較

顧客ロイヤリティ向上ソフトとは?

顧客ロイヤリティ向上ソフトは、顧客に特典を付与するロイヤリティプログラムの様々な側面をカスタマイズし、顧客維持率を向上するために使用されます。店頭購入、オンライン購入、イベント、SNSでのプロモーションなど、顧客の様々な行動に対して報酬ポイントを付与できます。

このソフトウェアでは、ポイントを獲得する方法、交換する方法、交換するタイミングなどのルールを詳細に設定できます。ルールを設定することで、リピート顧客を特定し、割引などの特典を提案して新規製品の購入につなげたり、ブランドロイヤルティを維持したりするプロセスを自動化できます。

顧客ロイヤリティ向上ソフトの機能

顧客ロイヤリティ向上ソフトの主な機能

顧客ロイヤリティ向上ソフトの主な機能は以下の通りです。

  • ロイヤリティプログラム:リピート購入するとポイントを獲得できる機能を提供します。ポイントは、次回購入するときの代金に利用できます。
  • リワード管理:リワードを通じた顧客獲得、顧客エンゲージメント、顧客維持についての戦略を立てます。オンラインや実店舗での購入、プロモーションイベントへの参加に対して、対象顧客に特典やリワードを提供できます。
  • アクティビティの追跡:ロイヤリティプログラムに参加した顧客、特典を利用した顧客、または新規購入した顧客の数を監視して追跡します。
  • キャンペーン管理:顧客エンゲージメントの高めるためのロイヤリティプログラムを作成、管理、追跡します。実施したキャンペーンに対する顧客の反応を分析レポートで確認して、今後のロイヤリティプログラムの計画と最適化に活用できます。
  • メンバーシップ管理:様々なプログラムの会員となった顧客のリストを作成して管理します。このリストには、氏名、連絡先、配送や請求先、最近購入した製品などの情報が含まれます。
  • 顧客のセグメント化:年齢、地域、購入した製品の種類などの特性に基づいて、既存顧客と潜在顧客をグループ化します。

顧客満足度ツールとは?

顧客満足度ツールは、調査票やアンケートなどによって収集した顧客のフィードバックを整理して管理します。顧客の関心に合わせてアンケートフォームをパーソナライズできます。また、SNSなどのいくつものチャネルで顧客調査を実施し、ブランド/製品/サービスに対する顧客満足度を分析するレポートを作成できます。

顧客満足度ツールは、顧客関係管理および製品管理ツールと連携させることができ、取得したフィードバックを今後の製品開発やサービスの強化に活かすことができます。

顧客満足度ツールの主な機能

顧客満足度ツールの主な機能

顧客満足度ツールの主な機能は以下のとおりです。

  • フィードバック管理:顧客のフィードバックを収集するプロセスを自動化してレポートを作成します。これらのフィードバックはビジネスプロセスや製品開発に取り入れることが可能になります。
  • アンケート/調査管理:複数のプラットフォームを対象にしたアンケートや調査を作成して運用します。また、取得した顧客情報をデータベースで管理します。
  • カスタマイズ可能なフォーム:年齢、地域、オンラインの活動、購入履歴、その他の差別化要因など、顧客の特性に基づいてアンケートの質問をカスタマイズします。
  • マルチチャネルコミュニケーション:メール、ライブチャット、オンコール、SNSなど、複数のチャネルを使用して顧客を調査します。
  • アンケート結果の分析:回答した質問数、場所や年齢などの回答者の特徴から、アンケート結果を分析します。
  • センチメント分析:顧客の反応、レビュー、SNSへの投稿を分析し、好意的、批判的、あるいは中立的な反応の総数を把握します。
  • 傾向分析:過去に実施した調査データを検証し、回答を分析することで、繰り返し見られる傾向を明らかにし、業績を予測できます。分析した傾向に基づいて、今後の調査を最適化し、業績をさらに向上できます。
  • 顧客体験管理:SNSプラットフォームの活用やアンケートにゲーム要素を取り入れた「ゲーミフィケーション」などのフィードバック管理戦略を構築して、調査時の顧客体験を向上します。
  • 顧客のセグメント化:オンラインの活動、購入履歴、過去に受けたアンケートなどの差別化要因に基づいて顧客をグループ化します。大規模なグループの顧客を調査することで、時間を節約し、リーチを強化できます。
  • アクティビティの追跡:回答までの時間、クリック率、回答した質問数、顧客のカテゴリなど、アンケート結果に影響を与える要因など、顧客がどのようにアンケートに取り組んだかを追跡して監視します。

顧客ロイヤリティと顧客満足度の共通点

顧客ロイヤリティ向上ソフトと顧客満足度ツールは異なりますが、これらのソフトウェアを連携させて、優れた顧客体験を包括的に作り出し、ビジネスの成功につなげることができます。

顧客ロイヤリティ向上ソフトと顧客満足度ツールは、顧客体験を向上させ、顧客維持率を向上します。これらのツールは、アンケートや調査などの指標を活用し、既存顧客の満足度やロイヤルティを測定します。顧客ロイヤリティと満足度には密接な関係があり、顧客は製品やサービスに満足すると、そのブランドにロイヤルティを示すようになります。

これらのソフトウェアには、顧客のセグメント化、顧客体験管理、エンゲージメントやアクティビティの追跡など、いくつかの共通した機能があります。

自社に最適なソフトウェアはどっち?

これらのCRMツールへの投資を検討するときには、最初に顧客関係管理に関する自社の要件と目標を確認しましょう。

ロイヤリティプログラムの運用、メンバーシップ管理、顧客への特典提供などのツールを必要としているなら、顧客ロイヤリティ向上ソフトへの投資を検討する必要があります。このソフトウェアでは、顧客のポイント獲得と消費方法、購入ポイントに関するルール設定から、VIP顧客リストの管理まで、ロイヤリティプログラムの様々な側面のカスタマイズできます。

アンケートなどのフィードバックを管理して顧客満足度を測定する場合には、顧客満足度ツールが適しているでしょう。このソフトウェアでは、顧客のフィードバックを収集、整理、管理し、決まった書式でレポートを作成できます。フィードバックを正しく読み解くことで、マーケティング戦略を最適化でき、顧客に関する優れた知見を獲得して、顧客維持率とロイヤルティを向上できます。

使用すべきソフトウェアのカテゴリを決定したら、キャプテラの顧客ロイヤリティ向上ソフト顧客満足度ツールのページで、製品リストと検証済みのユーザーレビューを参照してください。これらの製品リストは機能、価格、評価別に並び替えることができます。

最適なCRM (顧客関係管理) ツール選びのヒント

顧客サービスのニーズに合った最適なCRMツールを見つけるために重要ないくつかポイントを以下に紹介します。

  • ソフトウェアの機能が営業やマーケティングのニーズに合っているかどうかを確認する。顧客ロイヤリティ向上ソフトや顧客満足度ツールを購入するときには、自社のビジネス要件を評価しなければなりません。セールス部門が顧客サービスの向上を目指している場合には、顧客満足度ツールが適しています。マーケティング部門が多くの顧客の獲得を目指している場合には、顧客ロイヤリティ向上ソフトが正しい選択となります。
  • レポートのカスタマイズ機能を評価する。これらのソフトウェアは、レポート機能や分析機能を備えています。これらの機能を活用して、顧客とのエンゲージメント、オンライン行動、最近の購入履歴、獲得した特典などを把握できます。選択したソフトウェアが、営業戦略やマーケティング戦略にとって有用な指標に基づいてレポートをカスタマイズできることを確認してください。
  • オムニチャネルコミュニケーションを推進する。現在の顧客は、SNS、メール、モバイルアプリなど、様々なプラットフォームを利用して、広告のキャンペーンに参加したり、製品やサービスを購入したりします。これらの多様なプラットフォームから顧客データを取得し、リーチを拡大できる顧客ロイヤリティ向上ツールや顧客満足度ツールを探しましょう。
CRMツールをお探しですか? キャプテラのCRMツールのリストをぜひご覧ください。


注:本記事で紹介された製品は、各機能の例として取り上げられており、勧誘・推奨を意図したものではありません。掲載されている情報は、掲載時に信頼できると判断された情報源から入手されたものです。