中小企業オンラインレビュー活用調査:45%の社員が「カスタマーサービス向上につながる」

2022/6/10 投稿者: Alberto Sakai

企業はどのようにオンラインレビューを収集、管理しているのか?改善点はどこにあるのか?消費者アンケートの続編として、中小企業におけるレビュー活用の現状を調査した。

中小企業におけるカスタマーレビューの活用状況

前回のカスタマーレビューに関する記事では、ユーザーによるレビューや口コミは購入決定に役立つ有益な情報源であり、消費者がそれを積極的に利用していることが明らかになりました。今回は、企業側がどのようにオンラインレビューを活用しているのかを確認する目的で、中小企業の従業員を対象にアンケート調査を行いました。

本記事ではその調査結果から、カスタマーレビューの利用状況を紹介し、企業にとってのメリットと課題を整理します。アンケートの対象となったのは250人規模までの中小企業にお勤めの方ですが、さらに「取り扱い製品・サービスがオンラインレビューによって評価されたことがある」こと、かつ「オンラインレビューを管理・活用している」ことを条件としました。 (調査の概要は文末をご覧ください)

有効回答者 は 241名で、そのうち約4分1は経営層・役員クラス、一般社員クラスが22%、係長・主任クラスが18%、部長クラスが17%でした。なお、約半数 (53%) はオンラインレビューの管理やモニタリングに関与しており、残りの半数 (47%) は別のスタッフが担当しているものの、レビュー管理の状況を把握している人です。

オンラインレビューの利用状況

まずは、オンラインレビューの利用状況を見ていきましょう。今回の調査に参加した企業社員の88%は、企業戦略としてオンラインレビュー収集を積極的に行なっていると答えました。そこで挙げられた最も多い手法は「商品・サービスの購入後、レビュー依頼のメールを送信する」(39%) で、次いで「電話やチャット・メールでの対応の最後に、お客様にレビュー投稿をお願いしている」(31%) 、「お客様に送信するメールに、外部のレビューページへのリンクを入れている」(24%) の順となっています。

マーケティング戦略としてオンラインレビューを活用することはとても有意義な取り組みですが、各ステップを明確に把握することが重要です。まずはレビュー収集のステップがありますが、レビュー投稿の各プラットフォームにはそれぞれ異なる特徴があり、消費者に与える影響も異なります。 前回行った消費者調査でも明らかになったように、口コミやレビューが「信頼できるレビューサイトに掲載されていること」が、本物のレビューを見極めるための重要なポイントとして認識されています。企業の意識調査に話を戻しますと、レビュー収集の場として最も利用されるプラットフォームの上位3カテゴリーは、GoogleやYahoo!などの「検索エンジン」(46%)、Facebook、Instagram、YouTubeを含む「ソーシャルメディア」(35%)、そしてAmazonや楽天市場のような「マーケットプレイス」(32%)でした。

続いて、オンラインレビューを利用する目的についてたずねました。「あなたの会社はオンラインレビューをどのような目的で利用していますか」と質問したところ、20%以上の回答があった項目は下記の通りになりました。

中小企業におけるオンラインレビューの利用目的

オンラインレビューの効果

調査対象となった企業は、オンラインレビューを事業の宣伝手段として活用していると同時に、もらったフィードバックから、製品やサービスの改善につなげていることがわかりました。

それに対して、オンラインレビューが実際に役立っている分野については、回答のトップ3は次のようになりました。

  • カスタマーサービスの品質向上に役立つ 45%
  • 製品や事業の改善に役立つ 38%
  • ブランドイメージ向上に役立つ 37%

レビューへの対応体制

事業活動において、様々な分野で多くのメリットをもたらしているカスタマーレビューですが、企業はどのような体制でレビューに対応しているのでしょうか。 前述の消費者調査で示された通り、 消費者の約7割がレビュー投稿に対する企業の返答を読んでいます。それを考えると、レビューへの対応はビジネスにおいて無視できないものとなっています。

オンラインレビュー対応の割り振りについて聞いたところ、専任の「担当者」または「担当チーム」のどちらかを設けていると回答したのは全体の75%と大多数を占めています。しかし、担当者はいなく、「スタッフ誰もが対応できる」と答えた人が20%もいることが特筆すべき点です (回答の内訳は下記グラフを参照)。つまり、2割の企業ではレビューを担当する特定の人材が存在せず、レビュー件数が多い場合は対応のフォローアップに支障が出る危険性があります。

中小企業のオンラインレビューへの対応体制

さらに具体的な返信の仕方について確認したところ、改善の余地があることが判明しました。オンラインレビューに返信する頻度について「時々する」と回答した人が35%で最も多く、次の「よくする 」 (22%) とは大きくが差が出ています。次に、お勤めの会社がオンラインレビューに「全く返信しない」と回答した43人 (18%) を除いて質問しました。企業からの返信の速さを聞いたところ、「数日以内に」(42%) は「1日以内に」(19%) を2倍以上上回っています。返信の「頻度」、「速さ」共にやや低めのレベルですが、「メーカーや企業はレビューを十分重視していない」と指摘する 大半の消費者の意見との相関が見られます。

引き続き、返信する企業の従業員に絞って、レビュー対応に関して社内方針が定められているかどうかを伺いました。大半の企業は返信の仕方 (内容、様式、口調など) を初め、様々な方針を定めていますが、一定程度の回答者は「レビューの返信に関する方針はない」(16%) ことがわかりました。

変化する制度を把握し、しっかりと対応することはビジネスにとって欠かせないことです。そのためには、 ポリシー管理ソフトを使用すると便利でしょう。この種のソフトウェアは規定の作成、改訂、承認に必要なツールを備えており、組織内外のポリシーを最新の状態に維持することができます。また、従業員その他関係者に対して各種ガイドラインへのアクセスを容易にすることで、コンプライアンス (法令遵守) の促進に役立ちます。

消費者向けのアンケートで明らかになったように、製品・サービスを購入する際に最も信頼される情報源は、「友人や家族からの情報」以上に「オンラインのカスタマーレビュー・口コミ評価 」です。それを考えると、レビューへの返信を効率化することをぜひ勧めたいところです。

レビューへの返答を効率化するためのポイント

• レビュー対応を 「プロジェクト」として管理さらに DACIのような意思決定フレームワークを利用すれば、プロジェクトに携わる人々の役割や責任を明確にすることができます。

• 効率的なワークフローの制定 ワークフロー管理専用のシステムや、 タスク管理ツールのような関連ソフトを使うと良いでしょう。

• チーム内の 円滑なコミュニケーション環境の構築

• フィードバックの適切な管理体制 市場には カスタマーレビュー専用の管理ソフトが多数あります

オンラインレビューに対する意識と意志

前項ではレビューへの対応体制の不十分さを指摘しましたが、大半の企業はオンラインレビューの重要性を十分意識しており、改善する意志が強いことが伺えます。

オンラインレビューを収集、モニタリング、返信するには、時間と資源が必要です。それにしても、時間とコストパフォーマンスの観点から、レビュー対応に取り組むことに「ある程度価値がある」と感じる回答者が49%まで上り、「非常に価値がある」と答えた31%と合わせると、8割の中小企業がオンラインレビューの有用性を認めているという結果となります。

また、自社のオンラインレビュー管理の改善点として最も挙げられたのは「より多くのレビューに対応できるようにすること」(46%) で、次いで「レビューにより速く対応すること」(33%) でした。 (下記図を参照)

中小企業が必要とするオンラインレビュー管理の改善点

最後に、オンラインレビュー管理に係る業務を行うために、どのようなツールを使用しているか教えていただきました。下記に記載の通り、ソーシャルメディアから専用のソフトウェアまで、多様な方法が活用されています。 (回答数の多い順に列挙)

  • ソーシャルメディアを利用している(ソーシャルメディア分析ツールを含む)34%
  • レビュー収集機能を持つソフトウェアを使用している(例:CRM、ヘルプデスクなど)31%
  • 専用のソフトウェアを使用している(例:レビュー管理ツール、オンライン評判管理ソフトなど)27%
  • 自社のサイトやシステムを使用している21%
  • 外部のプラットフォームを使用している(Trustpilotなど)18%
  • ツールは使わず、手動で管理している(例:表計算ソフトなどを利用)11%

企業の財産としてのオンラインレビュー

自社のネット上での評判は、ブランドが定着するかどうかの分かれ目を意味すると言っても過言ではないでしょう。これに影響を与える要因のひとつが、製品やサービスに対するオンラインレビューです。

オンラインレビューを管理し、それに基づいて行動することは、顧客の声に耳を傾け、配慮することを示します。これは、企業評価を上げるためにも、ユーザーとのコミュニケーションのためにもとても重要です。また、この双方向の関係によって、自社の製品・サービスと関連するキーワードが増え、検索エンジンの結果ページで上位に表示されるなど、様々な副次効果を得ることができます。ぜひオンラインレビューを企業の「財産」として捉えて、有効に活用して欲しいところです。

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調査概要

本記事は、当社が実施した「オンラインカスタマーレビューに関する調査 ──中小企業ンケート」の結果をまとめたものです。調査期間は2022年3月23日〜4月4日、全国の中小企業に勤める経営者、管理職、一般社員に対してオンラインで実施しました。有効回答数は241人でした。以下の条件に合致する方を対象としました。

  • 日本在住者であること
  • 18歳以上であること
  • 251人未満の中小企業に勤めていること
  • お勤めの会社の製品・サービスが、オンラインレビューや口コミによって評価されている、またはされたことがあること
  • お勤めの会社は、製品・サービスに対するオンラインレビューを管理・活用していること

この記事で言及されている製品、プログラム、サービスは、国によっては提供されていないか、法令や規制により制限されている可能性があります。製品の提供状況や、国・地域の法令遵守に関しては、ソフトウェア・プロバイダーに直接お問い合わせください。

筆者紹介

酒井アルベルト。マドリード・コンプルテンセ大学情報学部卒業。学術博士 (千葉大学)。NHK国際放送アナウンサー、琉球大学准教授を経て、現在はキャプテラにてシニアコンテンツアナリストを務める。技術・社会・ビジネスの観点からのコミュニケーションに関心がある。

酒井アルベルト。マドリード・コンプルテンセ大学情報学部卒業。学術博士 (千葉大学)。NHK国際放送アナウンサー、琉球大学准教授を経て、現在はキャプテラにてシニアコンテンツアナリストを務める。技術・社会・ビジネスの観点からのコミュニケーションに関心がある。