CRMツールのメリットとは?:中小企業が得られる利点

2023/2/24 執筆者: Andrew ConradおよびElena Estevez Takashima

優れたCRM (顧客関係管理) ツールを利用すれば、あらゆる業界の企業がビジネスを大きく飛躍させることができます。以前紹介したCRMの種類CRMツールの選び方を前提に、本稿ではCRMツールがなぜ重要なのか、そして企業が得られる利点についても詳しく説明します。

CRMツールのメリットとは?:中小企業が得られる利点

一つのソフトウェアだけで中小企業の運営をすべて賄うことはできませんが、B2Cビジネスを展開している中小企業の経営に役立つソフトウェアを一つだけ選ぶとしたら、CRM (顧客関係管理) ツールは有力な候補になるでしょう。CRMツールは、膨大な顧客データの保存と整理、顧客とのやり取りの追跡、顧客へのアウトリーチの自動化など、さまざまな機能を備えており、顧客を扱うすべてのビジネスで役立ちます。

CRMが重要な理由とは?

CRMツールは、全ての顧客と連絡先情報を取得し、組織のチームがアクセスできるデータベースに保存します。

コンピューターが普及する前は、連絡先情報が記載された用紙を束ねた巨大なバインダーや、手書きのインデックスカードを使用して、顧客情報を手動で管理・保管していました。このような従来の紙ベースのシステムでは、連絡先の検索や共有、連絡先の更新、連絡先とのやり取りの履歴の追跡などに非常に手間と時間がかかっていました。 

最新のCRMツールを使用すれば、顧客との関係を効率的かつ効果的に構築できます。取引している顧客数が比較的少なくても、CRMツールは非常に役立ちます。

CRMツールは、単に顧客の名前や連絡先を整理するだけでなく、顧客と最後に連絡してから経過した時間、顧客が最後に製品やサービスを購入した日時、顧客との取引期間などの情報も記録します。

これらの情報を利用して、担当者の誕生日にお祝いのメッセージを送ったり、顧客がリピート購入している商品が改良されたときに通知したりすることで、顧客との関係性を強化でき、顧客ロイヤルティの向上と長期的な収益の増加につなげることができます。

CRMツールの利点とは?

顧客の全ての連絡先を印刷したインデックスカードを使っていた頃は、顧客を確認する度にカードの山から特定の情報を見つけ出さなければならず、想像を絶する手間がかかっていました。

多くのCRMツールは以下のような機能を搭載し、ビジネスの効率化を可能にします。

  • データベースの一元化:一元的なデータベースは多くのCRMツールに搭載されている重要な機能です。このデータベースには、業務で使用するすべての連絡先情報が整理されて保存されており、組織全体がアクセスできるようになります。
  • 連絡先管理:CRMツールでは、全ての顧客の連絡先情報を安全に一箇所に保存できるだけではありません。連絡先の更新、新しい連絡先の追加、廃業したなどの理由で取引がなくなった連絡先の削除や再分類を簡単に行うことができます。
  • 顧客とのやり取りの追跡:顧客へのコンタクトが過剰になると離反を招くこともあります。また、コンタクトが少なすぎても疎遠になる恐れがあります。顧客とのやり取りを追跡しておけば、営業チームは前回コンタクトしてから経過した時間や、過去のやりとりで何をディスカッションしていたかを正確に把握できます。
  • スケジューリングとリマインダー:自分宛のメモを付箋に書きておき、コンピューターのモニターに貼り付けておけば、月曜日の朝に特定の顧客に連絡しなければならないことを思い出すことができるかもしれませんが、これは決して褒められた方法とは言えません。CRMツールを使用すれば、最適なスケジュールを設定して、コールするタイミングをリマインドすることができます。
  • 連携:最新のビジネスソフトは、単体として機能するだけではありません。自社で利用している他の全てのビジネスソフトウェアと連携して高度な機能を実行できるように設計されています。CRMツールの場合、新しい連絡先を自動的に取り込むメールシステム、カレンダーソフト、さらに会話を自動的に録音して保存するソフトフォンシステムと連携させて、さまざまな高度な機能を利用できるようになります。

これらの機能を連携させることで、営業チームの生産性と効率性を向上できます。営業チームの効率を向上させ、業績を向上させるために利用できるCRMツールのいくつかの機能を以下に紹介します。

  • コミュニケーションの効率化:CRMシステムを利用すれば、複数の営業担当者が同じ連絡先に重複してアプローチするリスクを軽減できます。他の営業担当者に引き継ぐときに役立つコールノートと呼ばれる情報共有のための機能も利用できます。
  • 顧客サービスの向上:顧客について深く知ることができれば、営業に必ず役立ちます。CRMでは、顧客の担当者の誕生日から過去に対応した問題など、あらゆる情報を記録できます。
  • 顧客満足度の向上:カスタマーサービスの品質を向上し、カスタマーサポートを効果化できれば、顧客満足度と顧客維持率を向上でき、解約率を減少できます。
  • 自動化の推進:あらゆる顧客データが単一のデジタルシステムに集約され整理されていれば、さまざまなプロセスを簡単に自動化できます。最新のCRMツールは、各顧客に合わせたメールキャンペーンの実行、顧客とのやり取りの記録、配信リストのセグメンテーション、リードナーチャリングなどのプロセスを自動化して、営業チームを支援します。
  • 営業担当者の生産性向上:最新のCRMツールを活用すれば、営業担当者はより多くのコンタクトを獲得し、多くのリードをコンバージョンし、顧客維持率を高めることができます。その結果、営業目標を達成でき、多くの報奨金やボーナスを得ることができるようになります。これは、企業と営業チームの双方に利益をもたらします。

CRMツールのタイプとは?

CRMツールには通常、連絡先データベース、顧客とのやり取りの追跡、およびリード管理のためのフォームなどが含まれますが、自動車ディーラーや美容院など、さまざまなビジネスに合わせて設計されている多くの異なるタイプのCRMツールがあります。

また、MA (マーケティングオートメーション) ツールなどの他のソフトウェアにも、会員管理機能などのCRMツールの基本的な機能が標準で搭載されています。

CRMツールは、セールス向けCRMツール、マーケティング向けCRMツール、カスタマーサービス向けCRMツール、デジタルコマース向けCRMツールの4つのタイプに大きく分類されます。

4つの主なCRMツールのカテゴリー
  • セールス向けCRMツール:営業チーム向けに設計され、リードジェネレーションと取得、コミッションの追跡、パイプラインの管理などの機能が充実しているCRMツールです。このタイプのCRMツールは、営業担当者と営業チームが、リード (潜在顧客) への最初のコンタクトからリピート顧客にするまでのプロセスを支援します。
  • マーケティング向けCRMツール:マーケティングチーム向けに設計されており、マーケティングキャンペーンに関する多くの機能を搭載しています。マーケティングオートメーション、メールマーケティング、ソーシャルメディアマーケティングのための多くの機能を搭載しています。このタイプのCRMツールでは、マーケティングチームがさまざまなチャネルに対するマーケティングキャンペーンを管理および分析できます。
  • カスタマーサービス向けCRMツール:カスタマーサービスチーム向けに設計されており、顧客とのやり取りの追跡、カスタマーナレッジベース、チャットボットなどに関する多くの機能を提供します。このタイプのCRMツールは、顧客からのファーストコンタクトからフォローアップまでのカスタマーサービスチームによるプロセスを支援し、カスタマーエクスペリエンスを最適化します。
  • デジタルコマース向けCRMツール:オンラインビジネス向けに設計されており、顧客分析、ロイヤルティ管理、デジタルストアフロントと呼ばれるショッピング用Webサイトに関連する豊富な機能を搭載しています。このタイプのCRMツールは、デジタルコマースを展開している企業がオンラインの顧客を支援するためのさまざまな機能を提供します。

CRMツールは、さらに広義では、運用型、戦略型、分析型、コラボレーション型の4つ大別されます。

  • 運用型CRM:ワークフローのオートメーションを重視したCRMツールです。
  • 戦略型CRM:顧客とのやり取りの管理を重視したCRMツールです。
  • 分析型CRM:顧客データを分析し、実用的な知見を獲得するためのCRMツールです。
  • コラボレーション型CRM:社内のいくつものチームや部門が連携しながら顧客サービスを向上させる機能を提供するCRMツールです。
これらのさまざまなCRMツールのタイプと機能の詳細については、「CRMの4つの種類とは?中小企業のためのCRMサービス選びのコツ」を参照してください。

自社に合ったCRMツール選びは?機能・タイプの把握が需要

このブログでは、CRMツールの利点について説明しました。ぜひ自社とってベストなCRMツールを選択して、顧客維持率を向上し、顧客エンゲージメントを向上してください。

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筆者紹介

アンドリュー・コンラッド。シニアライター。キャプテラにて記事執筆。

アンドリュー・コンラッド。シニアライター。キャプテラにて記事執筆。

エステベス高嶋エレナ。コンテンツ・マーケティングインターン。イギリスの大学でメディアと国際開発学を学ぶ。

エステベス高嶋エレナ。コンテンツ・マーケティングインターン。イギリスの大学でメディアと国際開発学を学ぶ。