データへのアクセスや分析を容易にする、信頼性の高いレポートツールをお探しですか?この記事では、キャプテラのカスタマーレビューで高く評価されている、日本の中小企業に適したレポートツールを紹介します。

ユーザー評価の高いおすすめのレポートツール7選

レポートツールは、様々なデータソースのビジネス情報へ迅速にアクセスするためのソフトウェアです。レポートツールを使用することで、財務諸表や広告キャンペーンのメトリクス、販売統計、主要業績評価指標 (KPI)、セキュリティ監査など、ビジネス判断の材料となる情報を直感的でわかりやすいグラフやチャートにまとめることができます。

IDCによると、2025年までに世界のデータの80%近くが非構造化データになると予測されています。非構造化データとは形式が統一されていない生のデータであり、ソーシャルメディアの情報、クリックストリーム、社員の位置情報、ユーザーの行動、医療記録などが含まれます。このようなデータは、人間にとっては理解しやすいものですが、コンピュータにとっては扱いにくいものです。しかし、このように増加する非構造化データから有益な情報を抽出し、そのパターンや関係性を分析し、見やすく整理することができれば、企業にとって新たな価値創造としてのビジネスチャンスを生む可能性があります。それには、適切なレポート作成ツールが大いに役立つでしょう。

この記事では、キャプテラで最も評価の高い7つのレポートツールをアルファベット順にご紹介します。本リストに掲載されているツールは、全て5つ星中4.5以上の総合評価を得ており、レポート作成やデータの可視化に関連する一連の機能を持ち、日本語にも対応しています。選定方法の詳細は、記事の最後に記載しています。

1.

Asana -  ユーザー評価の高いおすすめのレポートツール
Asanaのレポート機能のダッシュボード (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.5 星
  • 使いやすさ 4.3 星
  • カスタマーサービス 4.3 星
  • 機能 4.3 星
  • 価格の妥当性 4.4 星

Asanaは、クラウド型のレポートツールとして利用できる業務管理システムです。ユーザーはリアルタイムでチームやプロジェクトのデータにアクセスでき、管理者権限がある場合はダッシュボードを作成・編集することが可能です。左側のメインメニューにある「レポート」タブを使用すると、データをチャートで表示することができます。また、ドラッグアンドドロップ操作で、チャートをお気に入りリストに追加したり、カスタマイズして共有したりできます。特定のプロジェクトやタスクにチャートを追加する際には、チャートのスタイルを選択し、ドロップダウンリストから必要なフィールドを選ぶことによって生成できます。

Asanaの「Basic」プランは無料で無期限に利用可能で、最大15名のチームメンバーと共同で作業することができます。このプランは、プロジェクト管理の初心者や少人数のチーム向けと考えられます。さらに、「Premium」や「Business」といった上位プランも存在し、それぞれに30日間の無料トライアルがあります。「Premium」プランには、無制限のダッシュボードや高度な検索などの追加機能が用意されており、「Business」プランでは、高度なレポート機能や、外部のレポートツールやビジネスインテリジェンス (BI) ツールと連携できるようになります。

2.

Datadog - ユーザー評価の高いおすすめのレポートツール
Datadogによるアプリケーションとインフラストラクチャのモニタリング (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.6 星
  • 使いやすさ 4.2 星
  • カスタマーサービス 4.2 星
  • 機能 4.5 星
  • 価格の妥当性 4.1 星

Datadogは、開発者やセキュリティエンジニア向けのプラットフォームで、ネットワークやアプリケーション、デジタル顧客体験などをリアルタイムで監視することができます。モニタリング、セキュリティ監査、分析などの多岐にわたる機能が実装されていますが、「Datadog Reporter」の利用により、データのインポート・エクスポートやウィジェットの画像表示、配置の変更も可能です。管理者は定期的にレポートを作成して、指定した間隔で通知メールを送信することができ、ユーザー自身も既存のカスタムダッシュボードを基にレポートを作成することができます。

Datadogは、「Free」、「Pro」、「Enterprise」の3つのプランを提供しています。「Free」プランではユーザーアカウントの数に制限がなく、ホストやコンテナのマップ、すぐに使えるダッシュボードなど、中核となるデータ収集と可視化機能を利用できます。有料プランにアップグレードすると、Datadogのコア機能が強化され、無制限のアラート、カスタムメトリクス、機械学習ベースのアラート、ライブプロセスなどの追加機能を利用できるようになります。

3.

Google Analytics 360 - ユーザー評価の高いおすすめのレポートツール
Google Analytics 360のキャンペーンメトリクス (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.7 星
  • 使いやすさ 4.2 星
  • カスタマーサービス 4.1 星
  • 機能 4.6 星
  • 価格の妥当性 4.7 星

Google Analytics 360は、Googleマーケティングプラットフォームの一部として、検索データから顧客の行動に関する洞察を得るためのレポートツールです。Google Analytics 360は法人向けに設計されており、メインメニューのダッシュボードから「レポート」というオプションを選ぶことで、多くのインサイトを収集できます。また、非サンプリングレポートをインポートし、エクスポートする前にカスタマイズすることもできます。

統合レポートの機能を使えば、複数のサイトやアプリ、デバイスから得られるメトリクスを一つのレポートにまとめて表示することができます。これを活用すると、広告の効果をグローバルで把握しながら、地域間でブランドパフォーマンスを比較できます。

Google Analytics 360は、Googleアナリティクスパッケージの有料版です。無料版は単に「Googleアナリティクス (GA)」と呼ばれます。無料版と有料版のどちらのバージョンでもカスタムレポートとダッシュボードを利用できますが、無料版は月間1,000万ヒットと20のメトリクスのみに対応し、データを更新するのに24時間以上かかります。有料のGoogle Analytics 360の場合は、月間10億以上のヒットと、各メトリクスの200インスタンスに対応しており、データは10~240分ごとに更新されます。 

4.

Microsoft Power BI - ユーザー評価の高いおすすめのレポートツール
Microsoft Power BIの財務ダッシュボード (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.6 星
  • 使いやすさ 4.1 星
  • カスタマーサービス 4.1 星
  • 機能 4.4 星
  • 価格の妥当性 4.4 星

Microsoft Power BIは、データモデリングツールを備えたビジネスインテリジェンスソリューションです。開発者、データアナリスト、IT担当者など、様々なビジネスユーザーがデータの集計から分析、可視化、共有までを一貫して行うことができます。Power BIは、ドラッグアンドドロップで操作できるキャンバスでカスタマイズできるユーザーフレンドリーなダッシュボードを備えています。テーマ、レイアウト、フォーマットを選択して100種類以上のビジュアルテーマから選べることに加え、モバイル用に最適化されたレポートをオンプレミスやクラウドから作成・公開することも可能です。

Power BIのデータ接続とデータ準備機能により、Microsoftの各種製品からデータをインポートし、カスタマイズして、スムーズにデータを分析できます。また、Officeのメニューの「視覚化」ツールボックスでは、人工知能 (AI) 分析をノーコードで利用することにより、さらなるインサイトが得られます。

Power BI Desktopは、ユーザーがデータを管理し、対話型レポートを作成するためにダウンロードできる無料のレポートツールアプリケーションです。「Power BI Pro」プランと「Power BI Premium」プランにアップグレードすると、ライセンスを付与されたユーザーはダッシュボードやレポートをカスタマイズできるようになります。どちらのプランもユーザー数によって価格が異なりますが、「Power BI Premium」プランには組織向けのライセンスオプションがあります。組織向けのライセンスは容量単位の価格設定となっており、高度なAIオプション (テキスト分析、画像検出、自動機械学習) が含まれています。

5.

PayPal - ユーザー評価の高いおすすめのレポートツール
PayPalの財務サマリー (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.7 星
  • 使いやすさ 4.6 星
  • カスタマーサービス 4.3 星
  • 機能 4.6 星
  • 価格の妥当性 4.5 星

オンライン決済プラットフォームとして知られるPayPalは、支払いの拒否や手数料、ペイアウト、マーケットプレイスのデータといった様々な財務情報を取り扱い・分析するためのレポート機能を提供しています。この情報は、月単位や指定した期間に応じて確認でき、手動であるいは自動スケジュール設定でExcel形式でのダウンロードが可能です。

PayPalのレポートサーバーは安全なファイル転送プロトコルであるSFTPを採用しているため、自動処理されるレポートの結果を安心してダウンロードできます。レポートは毎日更新されており、ユーザー活動の確認、取引に関する異議申し立てのケースの検討、さらには収益の予測なども行えます。

PayPalのオンラインレポートサービスは、無償で提供されており、小売業者にとっては、お客様の活動を追跡し、異議申し立てや収益に関する具体的な情報を取得する上で非常に価値があります。アップグレードを選択すると、さらに高度なレポートが使用可能となり、注文の遂行や資金の管理に関する深い洞察を得られるようになります。

6.

Smartsheet - ユーザー評価の高いおすすめのレポートツール
Smartsheetの戦略的計画ダッシュボード (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.5 星
  • 使いやすさ 4.3 星
  • カスタマーサービス 4.3 星
  • 機能 4.3 星
  • 価格の妥当性 4.3 星

プロジェクト管理システムとしてお馴染みのSmartsheetは、業務の計画、追跡、管理、自動化、および報告のサポートを目的とした無料のレポートツールとして活用できます。ユーザーはデータをインポートすることで、自動的に詳細なレポートを生成することができます。ダッシュボードは柔軟にカスタマイズが可能で、ビジュアル要素のドラッグアンドドロップや、タスクの優先度設定、色調整、フラグマーキングなどの機能も搭載しています。

作業管理の面でも、レポートの発行スケジュールの設定や、グラフのプレビューが行えます。また、共同作業機能を活用することで、チームメンバーとシートを共有したり、他の関係者から意見を収集したりできます。

Smartsheetの無料版は、1人のユーザーと最大2人の編集者に対応しており、2枚のシート、1か月あたり100回の自動化、500MBの添付ファイルストレージ、無制限のダッシュボードとレポートなどの基本機能を利用できます。有料版 (プロ、ビジネス、エンタープライズ) にアップグレードすると、無制限の無料編集者、ドキュメント作成、カスタムメールドメインなどの追加機能を利用できます。これらの有料プランでは、無料トライアルを30日間利用できます。

7.

Tableau - ユーザー評価の高いおすすめのレポートツール
Tableauの日次売上ダッシュボード (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.5 星
  • 使いやすさ 4.1 星
  • カスタマーサービス 4.2 星
  • 機能 4.5 星
  • 価格の妥当性 4.2 星

Tableauは、色々な場所にあるデータソースに接続し、高度な分析機能を備えたインタラクティブでカスタマイズ可能なダッシュボードを作成できるツールです。接続されたデータソースや、データペイン (使用可能なデータフィールドのリスト) を通じて、グラフ、マップ、プロット、テキストテーブルなどのビュー形式を生成することができます。

Tableauの「ビュー」は対話的な性質を持ち、ドラッグアンドドロップでダッシュボードの外観やスタイルをカスタマイズ可能です。さらに、定期的にレポートを発行し、それをWeb上でオーサリング (作成) することで、他のチームメンバーとの共有や協力が実現されます。

無料版を使用すると、ユーザーはデータの準備や管理、そして分析作業をチームとともに進めることができます。より高度な機能が必要な場合は、有料プラン (Tableau Creator、Tableau Explorer、Tableau Viewer) に移行することで、ビジュアルデータの準備やオーサリング管理、データ探索などの追加機能を利用することができます。価格の詳細については、ベンダーに直接お問い合わせください

自社に最適なレポートツールの選び方

レポートツールを選ぶ際には、データへの接続、データのインポート・エクスポート、ダッシュボードのカスタマイズ性など、必要不可欠な機能がありますが、実際に自社の業務フローにおいてニーズをしっかりと満たすものであるかを確認しましょう。キャプテラのレポートツールのカタログではユーザーレビューを見たり、機能や料金などから比較検討したりできます。ぜひ製品探しにお役立てください。

レポートのSaaSやソフトウェアをお探しでしたら、キャプテラのレポートツールのリストをぜひご覧ください。


本記事で取り上げた製品の選定方法 

製品の選定は、以下の基準で行いました。

  • 市場定義 キャプテラによる「レポートツール」の定義に該当するSaaS・ソフトウェアであること。すなわち、主要なデータへのリアルタイムアクセスが可能で、多様なデータソースから迅速に多次元レポートを生成し、財務諸表作成、販売戦略の追跡、規制コンプライアンスの対応、内部監査等、多岐にわたる用途で活用可能なツールであること
  • 中核機能   アドホックレポート作成、データの視覚化など、このソフトウェアカテゴリーの中核となる機能を備えているツールであること
  • 利用可能な国・言語 日本で利用することができ、日本語に対応していること
  • レビュー件数の条件 2021年7月15日から2023年7月15日までの2年間で、検証済みのユーザーレビューが100件以上ある製品であること
  • 評価の条件 総合評価で、5つ星中4.5以上の星数を得ていること。また、「使いやすさ」、「カスタマーサービス」、「機能」、「価格の妥当性」においても高評価獲得
  • 以上の条件を満たす製品のうち、評価上位7製品を選定