企業の教育ニーズがますます高まる中、従業員のスキルギャップ解消に役立つLMSの3つの優れた機能をご紹介します。

労働政策研究・研修機構が行った 全国の企業従業員への意見調査で、アフターコロナの働き方について、どのようなことが会社から求められると思うかという質問がありました。その回答のうち、「自己啓発を行うなど自ら能力を伸ばすことに積極的になる」は13.8%に留まっていることが目立ちます。
このデータを別の調査結果と照らし合わせてみると、目からウロコの事実が浮上してきます。ガートナーが独自で行ったサーベイでは、「一つの仕事に必要なスキルの数」が2017年以降、毎年10%ずつ増加していることが明らかになりました ( ガートナーの調査の詳細 (英語) は こちらをご覧ください 。ガートナー会員限定)。
つまり、新しいスキルの必要性が高まっているにもかかわらず、従業員の自己啓発が低調であることが分かります。こういった状況の中で、企業は人材の能力向上に真剣に取り組まなければなりません。そのためには、昨今のリモートワークの普及を考えると、 テクノロジを活用することが最も合理的な選択肢であると言えるでしょう。
スキルアップ戦略に役立つ3つのLMS機能
LMS (学習管理システム) を正しく使えば、社員のスキルアップを支える強力なツールとなります。まだ導入していない組織には、是ぜひ検討して欲しいものです。
この記事では、LMSを最大限に活用する方法を紹介します。特に優れた3つの機能に焦点を当て、それをどのようにスキルアップ戦略に取り入れることができるかを見ていきましょう。
1. パーソナライズされた学習パス:社員の成長目標に合わせた段階的な計画
残念ながら、従業員のスキルアップには定型化された手法はありません。同じ部署内でも、人によって異なるスキルの習得が必要になります。
しかし幸いなことに、LMSには学習のパス (筋道) を設定する機能が備わっています。パスの作成は学習者自身が行う場合と、管理者が設定する場合があります。
例えば、
には「コンピテンシー」という機能がありますが、管理者は学習者のスキルギャップを特定して、そのギャップを解消するためのトレーニングプログラムを作成することができます。
学習パスを人材育成戦略に取り入れる方法
従業員にパーソナライズされた学習計画を策定する際には、2つの点を考慮する必要があります。1点目は、従業員自身がどのようなスキルを身につけたいのか。2点目は、そのスキルのうち、どのようなものが将来のビジネスニーズに貢献できるのか。
まずは、社員が自分の個人能力開発計画 (IDP) を作成して、それをもとに、マネージャーと一緒にスキルアップ戦略を考えることをおすすめします。
2. コースライブラリの活用:専門家が作成したコースで時間を節約
オーダーメイドのコースを作成するには、時間と労力はもとより、深い専門知識を要します。しかし、社員に習得させたいスキルや知識は、既存のオンラインコースで扱われていることが多いのです。
主流の学習管理システムには、プロフェッショナルにデザインされた既製のコースが用意されているため、LMSシステムを気軽に導入することができます。
は、社員スキルアップのために特別にデザインされた強力なコースライブラリを備えたLMSの一例です。このプラットフォームは、「クラウド開発」から「カスタマーサービス」まで、あらゆる分野のコースを提供しています。

LMSのコースライブラリの中には、シックス・シグマ、プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル (PMP)、Professional in Human Resources (PHR) といった、各種認定資格取得に向けたコースを受講できるものもあります。
コースライブラリを人材育成戦略に取り入れる方法
まずは、社員自身が伸ばしたい分野について、どのようなコースがあるのかを確認しましょう。コースライブラリを備えたLMSでは関連するコースがグループ化されているため、検索がとても簡単です。
個別学習パス機能がある場合は、選択したコースを学習者のパスに追加し、適切な順番で受講するように設定することができます。パス機能が搭載されていない場合は次善の策として、受講順序を示したコースリストを作成し、 共有ドキュメントとして提供する方法があります。
3. ソーシャルラーニング:コラボレーションで知識の定着を図る
ソーシャルラーニングとは簡単に言うと、他者からの支援や協働を通じて行われる学習のことです。従来の教育環境では、ソーシャルラーニングは自然と起こります。例えば、クラスメートが授業中に質問をして、先生からの回答が他の受講生にも勉強になるようなケースです。リモート環境の場合はソーシャルラーニングを計画的に組み込まなければなりませんが、嬉しいことに、多くの学習管理ツールはソーシャルラーニングを意識して設計されています。
例えば
には、気軽に専門家に相談できる「Ask The Expert 」という機能があります。他のLMSにも、ディスカッション掲示板、メッセージング機能、リーダーボードのようなゲーミフィケーション機能などが装備されており、学習者同士で話し合えるバーチャルなコミュニティ形成が可能になります。
ソーシャルラーニングを人材育成戦略に取り入れる方法
ソーシャルラーニングは、従業員教育の全過程に取り入れるべきです。マネージャーの立場からしても、あるスキルの習得を目指している社員が、そのスキルに長けた先輩から直接学べるような教育環境が望ましいでしょう。
ソーシャルラーニング機能を利用すれば、学習者同士でコミュニケーションを取り合いながら教育を行うことが期待できます。
確実な人材育成のさらなるステップ
ガートナーが推奨する効果的なスキルアップ・プログラムの構築方法は、個人学習とソーシャルラーニングを組み合わせて、そこで得られた知識を実務に落とし込んでスキル強化を図るというものです (ガートナーの調査の詳細 (英語) はこちらをご覧ください。ガートナー会員限定)。
また、似たような手法として 70:20:10法 (英語)があります。学習の70%は実体験から、20%は他者との協働から、10%は正規の教育・訓練から得られるという考えに基づいた原則です。
以上のことから、人材育成で成果を上げるためには、フォーマルな学習、ソーシャルな学習、実践的な学習を組み合わせる必要があることが分かります。LMSはこの3つのうちの前者2つを達成するのに役立ちますが、実践の部分は各組織で検討することになります。
最後に、効果的なスキルアップ戦略を遂行するための推奨事項を紹介します。
- 社員がeラーニングのレッスンを終える度に、実際の課題やプロジェクトに携わってもらって、新しい知識を生かせる機会を与えましょう。
- 新しく学んだコンセプトを実務の場面で応用できるように、可能な限り先輩社員とペアを組んで作業をさせましょう。
- 学習者の進捗状況を定期的にフォローアップし、身に付いたスキルに自信を持っているかどうかを確認しましょう。