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請求書発行システムのお役立ちガイド
目次
文責: 酒井アルベルト、Bruno Peláez
請求書発行システム選びの必須情報
請求書発行システムは、企業が商品やサービスの請求書を作成・送信し、代金を回収するためのツールです。この種のアプリケーションは、多数の顧客や取引先にわたる複雑な会計処理を効率的に行い、契約や顧客データを取り込むことができます。また、会計ソフトと連携して動作するように設計されています。
請求書発行システムは、建設業、会計事務所、IT企業、マーケティングや広告業界などの企業で、請求書の作成、支払い処理、レポート作成、作業時間と経費の追跡に使用されます。
請求書発行システムは通常、月額料金制で提供されており、基本プランの月額平均料金は32ドル (約4,800円) です。高機能なプランの月額料金は約259ドル (約38,800円) となります。多くの請求書発行システムは、無料トライアルや無料プランも提供しています。機能やユーザー数、ストレージ容量に制限があるものの、自社のビジネスニーズに適しているかどうかを確認するのに役立ちます。
初めて請求書発行システムを購入する際には、予算、ユーザー数、具体的なユースケース、そして他のソフトウェアとの連携の必要性を考慮することが重要です。ビジネスニーズに基づいて請求書発行システムを評価するときには、候補となるベンダーに尋ねる質問について、ステークホルダーと相談することをお勧めします。例えば、以下のような質問を行うと良いでしょう。
- 製品は、企業ブランディングに沿ったレイアウトでカスタマイズした請求書を作成できるか?
- 顧客の支払い情報を収集する際、どのようなセキュリティ対策が講じられているか?
- 連絡先データベースを参照するときに、どのようなフィルタ機能が搭載されているか?
- 重複する請求を検出する機能や、詐欺や不正を検出する機能があるか?
- 請求書発行システムのプロバイダーから、どのようなテクニカルサポートが受けられるのか?
- モバイルアプリが提供されているか?
最もレビューの多い請求書発行システム
キャプテラは、ユーザー評価や人気度を組み合わせた独自の手法に基づき、注目の請求書発行システムを特定しています。これにより、小規模事業者が自社のニーズに最適な製品を効率的に見つける手助けをしています。以下、「請求書発行システム」カテゴリーで最もレビューの多い5つの製品を紹介します。
製品 | 総合スコア | 人気度スコア | 評価スコア |
---|---|---|---|
NetSuite | 86/100 | 40/50 | 46/50 |
FreshBooks | 84/100 | 36/50 | 48/50 |
QuickBooks Online | 83/100 | 36/50 | 47/50 |
Wave | 83/100 | 36/50 | 47/50 |
Square Point of Sale | 77/100 | 29/50 | 48/50 |
このランキングは、検証済みのユーザー評価と、一般公開されているWeb検索による人気度データを組み合わせて決定されます。
- 評価スコア:キャプテラのユーザーによる評価に基づくソフトウェアの相対スコア。レビュー件数とレビューの新しさを考慮して正規化されています。
- 人気度スコア:Web検索のトレンドとWebにおける製品のプレゼンスに基づくソフトウェアの相対的な人気度。
請求書発行システムとは?
請求書発行システムは、企業が請求書を作成・送信し、代金を回収するためのツールです。これらのソフトウェアは、請求書の発行、受領、処理を自動化し、契約データや顧客関係管理 (CRM) ツールのデータを取り込んで、多数の顧客や取引先にわたる複雑な会計処理を効率的に行います。また、会計ソフトと連携して動作し、さまざまな収益レポートを作成したり、コンプライアンス機能を提供したりします。
キャプテラでは、1,626件の請求書発行システム製品を掲載しており[2]、過去1年だけでこれらのソフトウェアユーザーによる11,007件の検証済みレビューを公開しています[3]。
請求書発行システムの価格体系
キャプテラのソフトウェア価格データによると、請求書発行システムのサブスクリプション価格帯は以下の通りです[1]。
- エントリーレベル (1~4ユーザー):月額32ドル (約4,800円)
- 最も高機能なプラン (10ユーザー以上):月額259ドル (約38,800円)
エントリーレベルまたは基本的なサブスクリプションには、通常、顧客データベース、タスク管理、請求、支払い、時間追跡などの機能が含まれています。
プレミアムおよび高機能なシステムには、継続課金、さまざまなアセットのカスタマイズ、ライブチャットによるサポートや専任のアカウントマネージャー、電子署名、自動リマインダーなどの機能がついていることも多いです。
請求書発行システムは通常、ユーザー1人あたりの月額利用料で課金され、価格は企業が必要とするユーザー数によって異なります。
多くの請求書発行システムは、自社のビジネスニーズに適しているかどうかを確認するのに役立つ無料トライアルや無料プランも提供しています。ただし、有料版と比較すると、無料版では通常、利用できるユーザー数が少なく、ストレージ容量も小さく、利用できる機能が制限されています。
初めて請求書発行システムを購入する際には、以下の点に注意が必要です。
- 請求書発行システムでは、インストールや設定、既存システムとの統合が含まれます。
- 運用コストには通常、アップデート、パッチ適用、アップグレードといったメンテナンス、および社内外のITコンサルタントサービスが含まれます。
請求書発行システムのユーザーが評価する機能
すべての請求書発行システムは、請求書作成、請求書履歴、オンライン請求機能を装備しています。他にも請求書処理、決済処理、請求書のカスタマイズ、連絡先データベースなど、多くの製品に見られる一連の共通機能が含まれています。
高く評価されている請求書発行システムのコア機能
- 請求書作成:請求書を最初から作成したり、リピート顧客向けの定期的な請求書を生成したりできます。91%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています
- 請求書履歴:各アカウントまたはクライアントの過去の請求書を保存して参照できるようにします。87%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています。
- オンライン請求:電子請求書を作成、送信、表示します。82%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています。
高く評価されている請求書発行システムの一般的な機能
キャプテラは独自の方法でレビューデータを分析し、ユーザーが有益と評価している他の一般的な請求書発行システムの機能を特定しています。これらの機能を以下に紹介します。
- 請求書処理:請求書を作成、処理、検証、発行します。88%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています。
- 決済処理:財務取引を承認、記録、照合します。82%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています。
- 請求書のカスタマイズ:企業ブランディングに合わせて、必要な情報を明確に伝える請求書のレイアウトやコンテンツをデザインすることができます。 企業ブランディングと一貫性のあるコンテンツを提供することで、顧客の信頼獲得につながります。80%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています。
- 連絡先データベース:請求書発行システムで顧客の連絡先情報のデータベースを構築して、専用のCRMツールにかかる追加の費用を削減できます。74%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています。
- 請求ポータル:エンドユーザーが過去の請求書を確認したり、請求への支払いができるゲートウェイ。70%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています。
- 納税計算:課税対象のすべての収入の内訳を確認できます。69%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています。
- モバイル決済:モバイルデバイスで、請求に対して支払いを行うことができるようにします。67%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています。
- 見積もり/概算: 顧客向けの見積書を生成します。67%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています。
- 時間・支出追跡: 請求可能な時間と経費の累計を記録します。このデータを自動的に請求書に追加し、請求処理を迅速化し、エラーを低減します。62%のレビュアーがこの機能を「必須」または「非常に重要」と評価しています。
キャプテラの請求書発行システムのリストページでは、機能別など自社のビジネスニーズに合わせて絞り込むことができ、製品選びにとても役立ちます。
ユーザーが挙げる請求書発行システムの最大のメリット
請求処理プロセスの強化:請求書発行システムは、請求書の作成、処理、検証、発行を支援します。これは、特に他ツールとの連携や、法規制遵守に役立つとユーザーが述べています。
「税務署と直接連携できるオンライン請求機能が気に行っています。この機能のおかげで、手書きの請求書を郵送する手間から解放されました。」
—Atanasios I.、コンピューターソフトウェア企業、ソフトウェアアーキテクト
小規模企業の経営支援:請求書発行システムを通じて、請求書発行、支払い追跡、時間追跡、会計作業などを自動化することで、小規模事業者は時間を節約できます。この機能により、経営者は他の重要な業務に集中でき、企業の成長につながるとユーザーは述べています。
「小規模企業を経営していますが、プロ並みに請求業務ができています。毎日、多くの機能を利用しています。」
—Andrew F.、取締役、卸売業者
請求管理の向上:請求書発行システムは、顧客への請求書の作成と送付にも役立ちます。ユーザーは、各顧客に応じた異なる請求書を作成する場合や、オンラインまたは書面での請求に便利だと述べています。
「請求処理が非常に簡単になりました。多数の請求方法や自社のニーズに合わせてさまざまな機能を利用でき、顧客にとって必要な情報が明記された請求書を作成できます。」
—Charles J. W.、建設企業、アカウントマネージャー
経費追跡のサポート:請求書発行システムは、作業時間と費用を記録し、請求業務を支援します。ユーザーは、この機能が業務プロセスを簡素化し、特に複数のビジネスケースを処理する際に役立つと述べています。
「時間と費用の記録から請求、リソースの割り当てまで、請求書発行システムは自分の仕事のあらゆる部分を簡単かつ効率的にしてくれました。」
—Juan B.、コンピューターソフトウェア企業、CEO
ユーザーが挙げる請求書発行システムの主な課題
請求書発行システムのレビュアーは、取引の正確性や複雑な支払い処理に関する課題を指摘しており、これが会計業務にエラーを引き起こし、業務を混乱させる可能性があると述べています。請求書発行システムを購入する前に、レビューを確認して、必要な機能が期待通りに動作するかどうかを確認することが重要です。
また、ソフトウェアのインターフェース、取引の同期、アカウント管理においてバグが発生することがあり、テクニカルサポートが不十分であるとの不満が生じることもあります。
最後に、請求書発行システムの価格体系は、特に小規模企業にとっては高額になることがあり、カスタマイズやライセンス更新の追加費用が発生する場合もあります。
請求書発行システムの導入を検討している場合は、これらのデメリットを避けるために、最終候補に残っているソフトウェアベンダーに以下のような質問をすることをお勧めします。
- 複雑な請求パターンでも、支障なく処理できるか?
- どのようなテクニカルサポートを提供しているか?サポートは24時間365日対応可能か?
- カスタマイズやライセンス更新料など、定期的あるいは追加でどのような費用が発生するか?
- すべての機能を必要としない小規模企業向けの柔軟な価格オプションはあるか?
請求書発行システムの用途
キャプテラがさまざまな請求書発行システムのレビューを分析した結果、一般的なユースケースが明らかになりました。
- タスクの自動化:請求書発行システムは、請求書の作成と送信、顧客への督促状の送信などのタスクを自動化できます。このような機能は、業務プロセスの効率化、エラーの削減、契約の維持などに役立つとユーザーが言及しています。
- 顧客管理:請求書発行システムは、顧客管理にも役立つことが挙げられています。顧客とのやりとりや支払い履歴にを確認したり、請求時に案件別作業時間を集計したりできます。また、一部の請求書発行システムはクライアント用ポータルも提供しています。
- レポート機能:請求書発行システムのユーザーは、レポート機能を使用してレポートをカスタマイズでき、さまざまな状況で必要となるデータを参照および分析できると述べています。
- 会計ソフトとの連携:多くのユーザーは、請求書発行システムを会計ソフトと連携して利用しています。それぞれの分野に特化したソフトを使用することは便利ではあるものの、ツール間でデータを同期できる機能が必要だと強調されています。
特定の業界やユースケースに合わせて特別に設計された請求書発行システムもあります。
どんな人が請求書発行システムを使うのか?
請求書発行システムは、顧客との取引を行い、支払いや請求書の受領、処理、整理を行うためのシステムを必要とするあらゆる企業で利用されています。もちろん、企業の業界や規模に応じて、必要とされるソフトウェアのタイプは異なります。請求書ソフトは、通常、以下の業務カテゴリの1つまたは複数に対応しています。
- 会計: 会計業務では、顧客へのサービス提供と社内の業務運用管理という2つの目的に請求書発行システムを使用できます。例えば、顧客への請求処理の合理化、支払い状況の追跡、金融取引の管理などに活用されます。
- 法務:法律事務所では、請求書発行システムで業務時間ベースの請求書作成や、顧客からの継続的な依頼の管理、法務に関連する費用の追跡を行うことができます。
- マーケティング:広告代理店は、請求書発行システムを使用して、キャンペーンの請求書作成、プロジェクトコストの追跡、売掛金の回収プロセスの効率化を行うことができます。
- 建設:建設会社は、請求書発行システムを使用して、プロジェクトの請求書作成、プロジェクトコストの追跡、下請け業者への支払い管理、建設業界特有の財務プロセスの効率化を行うことができます。
キャプテラのレビューの分析によると、建設、会計、ITなど、さまざまな業界の小規模企業の従業員が最も多く請求書発行システムを使用しています。請求書発行システムのレビュアーの74%が、従業員50名未満の企業で働いていました。中規模企業 (従業員数51~500人) でも請求書発行システムは使用されていますが、その割合は過去1年間のキャプテラのレビュアーの16%とかなり低いものです。
キャプテラのレビュアーは、請求書発行システムが小規模企業の管理業務に非常に役立つことを強調しています。小規模企業では、1人の従業員が多くの業務を担当することが多く、このような場合、請求業務を一元化し、プロフェッショナルな請求書を作成できるツールが必要とされています。
請求書発行システムの主な連携先システム
多くの請求書発行システムは、アプリケーションプログラミングインタフェース (API) 経由でさまざまな外部アプリケーションと連携し、システム間でデータのインポート・エクスポートが行えます。キャプテラのレビュアーは、請求書発行システムの連携オプションについて、概ね肯定的に評価しています。
キャプテラの膨大なレビューデータベースを分析した結果、請求書発行システムと最も多く連携されているツールは、以下の3つでした。
会計ソフトと連携することで、会計帳簿や財務諸表の作成を支援し、財務管理を合理化することで手動でのデータ入力作業を削減できます。これにより、企業の財務状況を包括的に把握できます。
プロジェクト管理ツールと連携することで、プロジェクトタスクを調整し、請求可能な時間を追跡し、請求プロセスを自動化できます。プロジェクト管理ツールとの統合により、プロジェクトデータを収集し、プロジェクトの収益性と財務実績に関する知見を得ることができ、プロジェクトの正確性、透明性、効率性が向上します。
決済システムと連携することで、決済プロセスの合理化、支払いの追跡、支払状況の確認が可能となり、これらに関連する作業時間を節約できます。
請求書発行システムの注目トレンド
キャプテラのテクノロジートレンド調査によると、2025年の経理・財務・会計分野の意思決定者1,054人のソフトウェア購入計画において、31%が人工知能ツールを最優先事項として挙げています[4]。 AIソフトや機械学習ソフトは、簿記から詐欺や不正の検出まで、多くのタスクを支援することができ、時間とリソースの節約に役立ちます。 多くの請求書発行システムには、すでにAIおよび機械学習テクノロジーが組み込まれており、タスクを合理化および自動化しています。
請求書発行システムについて詳しく知るための関連情報
請求書発行システムのその他の情報については、キャプテラの会計・経理・財務に関する記事を参照してください。
出典一覧
-
キャプテラの製品価格情報:キャプテラは、価格情報が一般に公開されている製品およびカテゴリで認定されたソフトウェア製品のみを、価格分析の対象としています。日本円価格は投稿時の為替レートに基づいており、現在の為替レートとは異なる場合があります。調査方法の詳細は、こちらをご覧ください。。
-
キャプテラの全カタログに掲載されている製品数を示しています。
-
キャプテラのレビューデータ:キャプテラサイト上の個別のソフトウェア製品に対する、検証済みユーザーによる評価レビューを分析してものです。 本稿では、執筆時から過去1年間のレビューを対象にしています。キャプテラのレビュー検証プロセスについての詳細は、こちらをご覧ください。
-
キャプテラ「2025年テクノロジートレンド調査」:この調査は、ソフトウェア購入に係るプロセス、企業の課題、導入方法や予算、ベンダーに対する情報収集行動、ROI期待値、そして満足度を理解することを目的に、2024年8月にオンラインで実施されました。調査方法の詳細は、こちらをご覧ください。