施工実行システムの導入により、建設業務のプロジェクト、スケジュール、予算などに関する情報にアクセスし、リアルタイムでやり取りができます。 この記事では、人気のある日本製の施工管理ツールをご紹介します。

人気の施工管理ソフトウェア
施工管理システムはどのように役立つのか

施工管理システムは中小企業・小規模事業者に多くのメリットをもたらします。施工管理者や建設事業者、間接部門の担当者、請負業者などは、この種のツールを次のように活用できます。

  • 運用にかかるコストの削減と予算超過のリスク軽減
  • タスクの追跡機能を活用した効率的な時間管理
  • 財務やスケジュールに関する情報の整理・管理
  • 異なる現場や請負業者とのコミュニケーションの円滑化
  • リアルタイムでのプロジェクト情報や知見の共有を通じた、社内コラボレーションの促進
  • 人、プロジェクト、データの一元管理による業務の効率化
  • 安全対策やコンプライアンス手順の簡素化

施工管理システムは、建設会社や請負業者が建設プロジェクトの設計や計画、業務プロセスを効率的に遂行するためのツールとして利用されています。専用のツールを使用することで、データへのアクセスやワークフローの整備、予算の策定、進行状況のモニタリング、そして関連する詳細情報の共有が可能となります。

日本の建設業界では、人材不足やノウハウの継承問題などの課題が指摘されており、それを克服するためには、DX (デジタルトランスフォーメーション) を通じたはビジネス変革が求められています。今日の厳しい競争環境を勝ち抜くには、デジタル化技術を日常業務に取り入れることが不可欠となってきました。

そこで、この記事ではネット上で最も人気のある3つの施工管理システムをアルファベット順に紹介します。リストの作成にあたっては、検索ランキング・検索数・ドメイン評価に基づいた「人気度」を基準に製品選定を行いました。選定方法の詳細は、本文の後に記載しています。

AndPad - 人気の施工管理ソフトウェア
AndPadの工程表機能 (出典)

AndPadは、図面やスケジュールなどの全てのプロジェクトデータを一元的に管理する施工管理システムです。書類作成の手間を解消し、設計図、レイアウト図、発注書、検査写真、材料表などを専用メニューで管理することが可能です。Webやモバイルアプリのダッシュボードで、ガントチャートや通知を使用してプロジェクトの進捗を監視し、契約を表示することもできます。また、アプリ内のプライベートチャット、写真管理、写真台帳作成の機能などを通じてデータにアクセスし、共有することで、リアルタイムのコラボレーションと分析が強化されます。

AndPadは、会社の規模、業種、その他の個々のビジネス要件に合わせて選択できるカスタム価格プランを提供しています。料金体系は、初期費用・月額費用・オプション費用の3つで構成されます。詳細な見積については、ソフトウェアベンダーにお問い合わせください。ユーザーが選択したプランに関係なく、ケース管理、プロジェクト資産管理、ライブチャット、ファイルアップロード、PDFやExcelのサポートなどは、共通する機能として利用できます。

Kizuku - 人気の施工管理ソフトウェア
Kizukuのスタンプと写真管理機能 (出典)

Kizukuを使用することで、建設作業員や管理者はリアルタイムで最新情報にアクセスすることができ、場所や時間に縛られずのコミュニケーションが可能になります。このツールの写真管理機能とアプリ内チャットを利用して、写真、設計図、図面、レポートをデータベースにアップロードできます。カレンダー上でスケジュールの作成やタスクの割り当てが可能で、工程表をバーチャート形式で進行状態、予定と実績状況を把握できます。PCやスマートフォンでも施工報告書の作成や現場入退場の管理ができ、現場ごとの実行予算計画で予算管理の効率化をサポートします。機能は、現場での作業へのリモートアクセスを提供しつつ、作業の効率化に役立ちます。

Kizukuは、ユーザー数 (30人、50人、100人) に合わせた料金プランを提供しており、アプリ内チャット、スケジュール管理、データ管理、顧客管理のツールが付属しています。詳細な見積については、ソフトウェアベンダーにお問い合わせください。

Photoruction - 人気の施工管理ソフトウェア
Photoructionにおける各デバイス (デスクトップ、タブレット、モバイル) のビュー (出典)

Photoructionは、​​高いカスタマイズ性を備えた建設業向けクラウドサービスです。リアルタイムでの情報共有、進捗の可視化、書類作成などの機能を提供しており、様々なデバイスを通じて、どこからでも重要な情報や画像、文書を関係者と共有することができます。プラットフォーム上で情報を管理することで、本社でも現場でも情報の確認が可能です。また、AIテクノロジーを有効活用して、デスクワークや雑務をプロセスから見直し、継続して効率化ができる仕組みを提供しています。

Photoructionの初期費用は無料ですが、ユーザー数に応じて月額料金が設定されます。基本機能として、工事写真管理、電子黒板、図面、工程表、書類作成などが含まれており、また、追加料金にて、ビルディングインフォメーションモデリング (BIM) ビューアや、外部ストレージとの連携などのオプションも利用できます。見積もり前に、紹介デモを見てすべての機能を試用可能で、その後、自社ニーズに合わせた最適なプランと費用を選ぶことができます。

施工管理システムの選定で考慮すべきポイント

効果的な施工管理システムを選ぶ際に、以下の機能を標準装備していることを確認しましょう。

  • タスクのスケジュール管理メニュー
  • 予算やコストのレポートツール
  • 設計図、図表、部品表、画像の保管
  • 内蔵のチャットや会議ツール

業界で人気度の高い施工管理システムに共通する特徴として、BIMの統合、出退勤管理ツール、事故管理サポートなどの特殊機能を備えていることが挙げられます。しかし、製品を選択する際には、初期費用やオンボーディングのサポート体制、追加機能の有無などの要素を検討することも重要です。

施工管理のSaaSやソフトウェアをお探しでしたら、キャプテラの施工管理システムのリストをぜひご覧ください。


本記事で取り上げた製品の選定方法 

製品の選定にあたっては、以下の基準を設けました。

  • Web検索での上位表示 「施工管理システム」というキーワードでシークレットモード検索を行った際、検索結果の最初のページに表示されるベンダーサイトの製品であること、または、第三者サイトで2回以上取り上げられている製品であること (2023年8月23日に検索実施)
  • 市場定義 キャプテラによる「施工管理システム」の定義に該当するSaaS・ソフトウェアであること、すなわち、「建設プロジェクトを管理し、建設会社と請負業者との調整を支援するツール」であること
  • 中核機能   施工管理システムのソフトウェアカテゴリにおける主要な機能、例えばスケジューリング、プロジェクト追跡、ドキュメント管理などの機能を備えているツールであること
  • 人気度 上記の条件を満たす製品の中から、月間のオーガニックトラフィック、平均検索数、ドメイン評価 (DR) を基に人気度を算出し、検索数とDRが最も高い3つの製品を選定しました