ロードマップとは、プロジェクトの目標やマイルストーンを視覚的に示す工程表であり、進行状況の確認やインサイトの発掘を可能にします。この記事では、効果的に利用できる高評価のロードマップ作成ツールを6つ紹介します。

無料ロードマップ作成ツール6選

ロードマップ作成ツールとは?中小企業にとってのメリット

ロードマップ作成ツールは、製品や案件の計画、視覚化、管理を支援するものであり、以下の業務を効果的に進めるために役立ちます。

  • 計画の一元管理と可視化
  • 部門横断的なコラボレーションと調整
  • 効率的なタイムライン管理 
  • データに基づく意思決定

ロードマップ作成ツールは、製品の企画からアイデア立案、目標の可視化、マイルストーンの設定、タスクの割り当て、進捗状況の報告、プロジェクトの完了まで、製品ライフサイクル全体を一元的に管理するための支援ツールです。

このツールを利用することで、製品の戦略、機能、リリース、改善、フィードバックなどに関する情報を文書化できるとともに、開発プロセスにおける要件追跡やリソース管理が行いやすくなります。さらに、関係者が情報を共有し協力するための共有ワークスペースにもなります。 

この記事では、キャプテラで最も高い評価を受けている6つのロードマップ作成ツールをアルファベット順に紹介します。掲載ツールは全て5つ星中4.5以上の総合評価を得ており、コラボレーションや優先順位付けに関連する一連の機能を持ち、無料で使える日本語対応のソフトウェアです。選定方法の詳細は記事の最後に記載しています。

1. Asana (アサナ)

Asana -  無料ロードマップ作成ツール6選
AsanaのロードマップのWebビューとモバイルビュー (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.5 星
  • 使いやすさ 4.3 星
  • カスタマーサービス 4.3 星
  • 機能 4.3 星
  • 価格の妥当性 4.4 星

Asanaは、リスト、ボード、ガントチャートを活用して、チームの作業やアイデアを一元管理するロードマップ作成ツールとして広く使われています。プロジェクトの作成、ロードマップの視覚化、リリース時期や目標に基づいた必須要素の追加、タスクのアサイン、チーム間のコミュニケーションの開始、マイルストーンの達成状況の確認など、多岐にわたる作業を行うことができます。利用できる機能としては、ドロップダウンのカスタムフィールドやカレンダーフィルタリング、複数のプロジェクトを横断するタスク管理などが挙げられます。

無料の「Basic」プランは、最大15人のチーム向けに用意されています。プロジェクトはリストやボード形式で表示可能で、概要や説明も閲覧できます。「Premium」または「Business」プランでは、タイムラインビューやマイルストーンの設定が行えるほか、閲覧できるゲストの数に制限は設けられていません。両プランとも30日間の無料トライアルが用意されており、レポートツールや外部連携、ダッシュボードなどの全機能を利用することができます。

続きを読む

2. Confluence (コンフルエンス)

Confluence -  無料ロードマップ作成ツール6選
ConfluenceのProject Central (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.5 星
  • 使いやすさ 4.2 星
  • カスタマーサービス 4.3 星
  • 機能 4.3 星
  • 価格の妥当性 4.3 星

Confluenceは、プロジェクト管理ツールとして「ロードマッププランナー」マクロを実装しています。これにより、テンプレートの選択、最新情報の共有、タスクの生成、マイルストーンの追跡などができるようになります。さらに、ロードマップやJiraのタスクを動的にアップデートする機能も組み込むことが可能です。「Project Central」画面では、色分けされたステータスの更新、ユーザーのタグ付け、リアルタイムでのファイル共有機能を活用し、各ステージでの製品の視覚化や開発の進行をスムーズに行えます。

Confluenceの無料プラン「Free」は、最大10人までのチームが利用することができ、2GBのストレージとコミュニティサポートへのアクセスが提供されます。「Standard」または「Premium」プランにアップグレードすると、ストレージ容量と利用できるユーザー数が増えます。いずれも7日間の無料トライアルがついています。500ユーザー以上の組織向けには、段階的に価格が設定されるオンプレミス版も用意されており、30日間の無料トライアルを利用できます。

続きを読む

3. Miro (ミロ)

Miro -  無料ロードマップ作成ツール6選
MiroのTalktrackを使ったタイムラインビューの対話型のウォークスルー (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.7星
  • 使いやすさ 4.5星
  • カスタマーサービス 4.3星
  • 機能 4.6星
  • 価格の妥当性 4.4星

Miroは、複数の部門を持つ大規模チームのための共同ホワイトボードツールです。ロードマップの作成に活用することで、開発者、コンサルタント、製品オーナーなどが製品の戦略策定の際に役立てることができます。ロードマップ作成の際に一から始める手間を省くために、たくさんのテンプレートが用意されているのは、ワークフローとアイデア管理プラットフォームならでは。Miroの特徴的なオンラインホワイトボードは、リアルタイムの視覚化とチーム間のコラボレーションを強化することに主眼を置いています。また、Talktrackで音声・動画の記録を残すことにより、目標やマイルストーンなど、各ロードマップ要素の対話型ウォークスルーを実現できます。

Miroの「Free」プランでは、利用できるチームメンバーに制限はなく、1つのワークスペース、3つのボード、5つのウォークスルーツール、2,500以上のテンプレート、100以上のアプリや外部連携を利用できます。一方「Business」プランでは、14日間の無料トライアルで全機能を試すことができます。このプランでは、高度なダイアグラム作成図形、無制限のボード、シングルサインオン (SSO) などを利用できます。

続きを読む

4. monday dev (マンデーデブ)

monday dev -  無料ロードマップ作成ツール6選
monday devのロードマップガントチャート (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.6星
  • 使いやすさ 4.6星
  • カスタマーサービス 4.5星
  • 機能 4.5星
  • 価格の妥当性 4.3星

monday devは、monday.comのソフトウェアスイートに含まれる製品開発ツールです。ロードマップ作成やバグ追跡、エピック、機能リクエスト、スプリント管理ボードを一つのダッシュボードで一元的に管理することができます。スクラムやカンバン、ウォーターフォール、さらにハイブリッド型といった、様々なプロジェクト管理の方法論に対応したボードを提供しています。これにより、ユーザーはプロジェクトの進行状況やタスクの詳細、マイルストーン、ストーリーポイントなどを一目で確認できます。

製品ロードマップボードでは、エピックごとのタイムライン予測、ステータス、担当者、優先度などの情報の他に、プロジェクトの到達度、信頼度、エフォート、スコアなどの主要な指標を視覚的に表示します。組み込みのチャットツールを使えば、プロダクトマネージャーやその他のチームメンバーとリアルタイムでコミュニケーションを取ることができ、ワークフローの管理がさらに効率的になります。

monday devには3つの主要なプランがあり、どれも14日間の無料トライアルが利用可能です。また、SSOオプションや3〜50人のユーザー向けの固定価格も用意されています。「ベーシックdev」ではアイテムの数や無料閲覧者に関して制限はありませんが、1つのダッシュボードにつき1つのボードしか作成できません。「スタンダードdev」プランでは、1つのダッシュボードごとのボード数が5つまで利用可能となり、さらにタイムラインやガントビュー、スプリントのストーリーポイント、自動化機能、連携機能などが利用できます。「プロDev」プランでは、高度な製品ロードマップのコラボレーションやレポート機能が追加され、チームを横断してのアイデアの管理や予測も容易になります。「エンタープライズDev」プランでは、さらに高度な分析機能が提供されます。

続きを読む

5. Notion (ノーション)

Notion -  無料ロードマップ作成ツール6選
Notionのスプリントカードによるボードビュー (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.7星
  • 使いやすさ 4.4星
  • カスタマーサービス 4.4星
  • 機能 4.6星
  • 価格の妥当性 4.6星

Notionはカスタマイズ性の高いオンラインワークスペースです。システム開発のロードマップ、アイデア、タスク、メモ、Wikiなどの情報やリソースを一つの場所で連携し、組織内のコミュニケーションとコラボレーションを支援します。メインのワークフロー管理画面では、ロードマップの作成、ビューの切り替え、ユーザーの追加、スプリント情報の編集、プロジェクトのステータスを一目で確認できます。さらに、色分けされたステータスフィールドや様々なアイコンを使って、プロジェクトに関連するマイルストーン、目標、ユーザーを全て視覚化できます。

Notionの「フリー」プランでは、最大で10名のゲストを招待可能な共同ワークスペース、最大7日間のページ履歴、ベーシックなページアナリティクス機能を利用できます。「プラス」プランには、無制限のファイルアップロードと、チームで使える無制限のブロックが付属します。また、30日間のページ履歴と、100人までのゲストを招待できます。Notionの「ビジネス」プランでは、プライベートチームスペースを利用でき、複数のチームをつなぐことができます。また、90日間の無料トライアルを利用できます。最後に、「エンタープライズ」プランには、監査ログ、無制限のページ履歴、専用のカスタマーサクセスマネージャーが付属します。このプランでは、無料デモの申し込みが可能で、90日間の無料トライアルも利用できます。

続きを読む

6. Trello (トレロ)

Trello -  無料ロードマップ作成ツール6選
ボード、リスト、カードからなるTrelloの製品ロードマップ (出典)

評価ポイント (5​つ​星満点中)

  • 総合評価 4.5星
  • 使いやすさ 4.5星
  • カスタマーサービス 4.3星
  • 機能 4.3星
  • 価格の妥当性 4.5星

Trelloは、プロジェクトやロードマップの進行状況を視覚的に管理するためのワークフローコラボレーションツールです。このツールを使用することで、プロジェクト、タスク、チーム、担当者などをボード上で整理し、進行状況やタスクの状態を一目で確認することができます。「ボード」メニューから、ユーザーは自分のワークフローに適したレイアウトや表示方法を選択できます。管理者はタスクを作成し、ドラッグアンドドロップで各ステージに移動させることができます。また、エピックの関連ファイルをタスクに添付するほか、閲覧者の招待、マイルストーンの追跡、チームメンバーへのメッセージ送信、アラートの設定などを行うことが可能です。

Trelloの「Free」プランでは、1つのワークスペースにつき10枚のボードまでしか利用できませんが、小規模なプロジェクトやチームであれば十分の機能が提供されています。「Standard」プランにアップグレードすると、カスタムフィールド、詳細チェックリスト、250MBまでのファイルのストレージを利用できます。「Premium」プランでは、タイムライン、カレンダー、ダッシュボード、テーブル、マップビューを利用でき、14日間の無料トライアルを利用できます。SSO、マルチボードゲストなどの機能や無制限に使えるワークスペースを利用するには、「Enterprise」パッケージにアップグレードする必要があります。

続きを読む

自社に最適なロードマップ作成ツールの選び方

ロードマップ作成ツールを選ぶ際、多くのベンダーが提供するトライアル版を試すことをおすすめします。トライアル期間中にスプリントやエピックの作成、各種カスタマイズ機能を使用し、そのツールが自社のニーズを満たすかどうかを検証してください。特に、ソフトウェア開発やマーケティング、営業など様々な業務を行っている組織であれば、ボードやビューの選択肢にバリエーションがあるかどうかが重要な点となります。なお、非営利団体や小規模な組織であれば、無料版でも必要な機能が全て揃っている場合があります。

キャプテラのロードマップ作成ツールのカタログを利用すれば、基本的な機能を持つツールから、多数のチームをまたがるような大規模な管理機能や、AIを活用した予測機能を持つツールまで、多様な選択肢の中から自社に合ったものを見つけることができます。

ロードマップ作成のSaaSやソフトウェアをお探しでしたら、キャプテラのロードマップ作成ツールのリストをぜひご覧ください。


本記事で取り上げた製品の選定方法 

製品の選定は、以下の基準で行いました。

  • 市場定義 キャプテラによる「ロードマップ作成ツール」の定義に該当するSaaS・ソフトウェアであること。すなわち、「プロジェクトの目標達成までの全ての行程をタイムラインに沿って計画できる表を作る」システムであること
  • 中核機能   コラボレーションツール、要件管理、優先順位付け、ガントチャート/タイムラインビューなど、このソフトウェアカテゴリーの中核となる機能を備えているツールであること
  • 利用可能な国・言語 日本で利用することができ、日本語に対応していること
  • レビュー件数の条件 2021年7月18日から2023年7月18日までの2年間で、検証済みのユーザーレビューが900件以上ある製品であること
  • 評価の条件 総合評価で、5つ星中4.5以上の星数を得ていること。また、「使いやすさ」、「カスタマーサービス」、「機能」、「価格の妥当性」においても高評価獲得
  • 以上の条件を満たす製品のうち、評価上位6製品を選定