働き方改革関連法の施行に伴い、従業員の労働時間の把握および管理の徹底が求められています。この記事では、労働時間管理 (出勤簿) のテンプレートの活用方法を紹介します。Excelテンプレートは無料でダウンロードいただけます。
目次
企業において、労働時間の記録と把握は、重要な責任であり業務管理にも寄与します。これにより、過大な負荷がかかっている業務の特定やチーム再編の必要性が明らかになり、全従業員が法定労働時間内で働くことを保証し、企業が労働基準法を遵守できるようになります。
キャプテラでは、従業員の労働時間を効率的に管理するため、無料のExcelスプレッドシートのテンプレートを提供しています。ぜひ、日々の時間管理業務に活用してみてください。
日本の法定労働時間とは?
日本の労働基準法では、正社員やパート・アルバイトなどの雇用形態に関係なく、法定労働時間は1日8時間、週40時間以内と規定されています。この労働時間を基準に、さらなる労働時間は時間外労働として計上されます。労働基準法で定められた労働時間を超過する労働を課す場合には、労働組合または労働者の過半数を代表する者と労使間で36協定を締結し、労働基準監督署に提出する必要があります。
また、冒頭でも述べたように、働き方改革で労働安全衛生法が改正され、2019年4月より「労働時間の客観的な把握」が義務化されました。さらに、「働き方改革関連法」は2020年4月1日から中小企業も対象となり、その結果、残業時間の上限が原則として月45時間・年360時間に制限され、年次有給休暇の取得が義務化されました。これらの法令を遵守することは、法的要件を満たすだけでなく、従業員の長時間労働やそれに伴う心身の悪影響を防止するためにも重要です。
在宅勤務の普及に伴う勤怠管理の課題
ICT (情報通信技術) を活用した場所や時間に縛られない柔軟なテレワークやモバイルワークの拡大により、従来は仕事とプライベートが明確に区別されていた境界が曖昧化しています。このため、労働時間の記録は以前よりも重要な意味を持つようになっています。
在宅勤務では柔軟な働き方が可能であり、高い自律性が求められますが、従業員はついつい空いた時間に残業してしまうことがあります。労働時間を正確に記録することは、労働に関する法律を遵守するためだけでなく、チームの心理的負担を軽減するためにも、有益な習慣となります。
労働時間を記録する方法は?
労働時間を記録する方法には以下のようなものがあります。
- 据え置き型タイムレコーダー 出退勤時に、設置されたタイムレコーダーで各従業員に配布されている専用チップや指紋を読み取ります。
- ノートパソコン、PC、スマートフォン 専用の時間管理ツールを使用して、これらのデバイスに接続したときから、勤務時間の記録を開始します。このシステムは特に在宅勤務に適しています。
- Excelスプレッドシート 従業員がエクセルのスプレッドシートを使用して労働時間を自分で記録する方法です。オフィス勤務や在宅勤務のいずれにも対応可能で、多くのスタートアップや中小企業で使われています。
- 手書きの記録 労働時間や休憩時間を手書きで記入することもできます。しかし、デジタル化が進んでいる現在、この方法はあまり利用されなくなっています。
従業員数が多い企業において、労働時間の記録にノートパソコンやスマートフォンを用いる方法は効果的であると言えます。特に、時間管理ツールを活用することで、従業員の勤怠や予定、休暇を自動的に追跡することが可能となります。さらに、従業員がどのような業務に時間を費やしているかを把握し、プロジェクトごとの人件費を詳細に分析することもできます。
労働時間の記録を習慣化するために、キャプテラはスタートアップや中小企業にはExcelスプレッドシートの利用をおすすめします。この無料のテンプレートは、労働時間の記録や管理を効率化するのに役立ちます。
キャプテラが無料で提供する出勤簿テンプレートの機能
このExcelスプレッドシートは、複数のタブに分かれており、労働時間に関する情報を網羅的に入力できます。以下、入力する各項目について解説します。
基本情報
最初のタブでは、プロジェクトなどの項目、業務内容、時給単価、休暇日数、1日あたりの労働時間、法令で定められた休憩時間などを入力します。
スケジュール
2番目のタブでは、毎日の労働時間を入力します。休憩時間が足りなかったり、残業があったりすると、赤く表示されます。
休暇管理
3番目のタブでは、有給休暇や病気休暇などの休暇を記録します。ただし、残業時間の算出には欠勤日は含まれません。
祝日・休日
このタブで、勤務時間の計算に必要な休日 (国民の祝日や会社の定める休日) を一覧することができます。
以上の情報をもとに、次のレポートを作成することができます。
- 月別労働日数及び労働時間 (4番目のタブ) 月ごとに労働時間、欠勤日数、これまでの残業時間、および取得した休暇を表示
- 項目別の各月労働時間 (5番目のタブ) 毎月の労働時間を項目別に表示
- 項目別の各月給与 (6番目のタブ) 毎月の給与を項目別に表示
エクセルと専用ソフトどちらが効率的?
ここで提供するExcelシートは、労働時間を記録する習慣をつけるためや、手軽な方法で一部の作業を自動化したい小規模事業者にとっては適切な選択肢となるはずです。
しかし、このようなファイルを使用する際にはいくつかの注意点があります。例えば、計算が自動化され管理も楽になりますが、データ入力は手動で行う必要があり、ミスが発生する恐れもあります。また、ファイルへのアクセス権限を適切に設定した上で、入力したデータをしっかり管理することも大切です。
チームが拡大し成長していくと、時間管理ツールを使用したほうが効率的になるかもしれません。時間管理に関する多くの作業をデジタル化することで、手動で情報を入力する必要がなくなり、レポートも自動で生成して活用できます。ぜひ、エクセルと専用のSaaS/ソフトの利点と注意点を考慮しながら、自社に最適な選択を見つけてください。
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- 「時短&効率アップのためのシフト表テンプレート」