グループウェアを活用すると、中小企業でも競争力や生産性を高めることができます。この記事では、キャプテラ利用者の間で高い評価を得ているグループウェアをご紹介します。
目次
競争力を強化し、組織全体の生産性を向上させたい中小企業におすすめしたいデジタルツールのひとつはグループウェアです。Statistaのレポートによると、グループウェア部門における2023年~2028年の収益の年平均成長率 (CAGR) は1.21%となり、2028年までに市場規模が5億6千万ドルに達すると予測されています。また、同レポートでは、グループウェアによる収益を国別で調査し、日本がトップ5にランクインしていることも明らかにしています。
グループウェア (別名コラボレーションソフト) とは、職場環境で個人やチームが対面やリモートで連携して作業できるように支援するソフトウェアを指します。メール、ビデオ会議、インスタントメッセージ、ファイル共有機能などを通じて、リアルタイムの情報のやりとりを可能にします。アジャイルプロジェクト管理の手法を採用している企業にとって、グループウェアは日常業務に欠かせなくなっています。
上記を踏まえ、この記事ではキャプテラに掲載されているグループウェアのトップ10をアルファベット順に紹介します。検討の対象となったグループウェアは、日本語で利用可能であり、過去1年間に少なくとも100件のユーザーレビューがあり、ユーザーの総合評価が5つ星中4.4以上である製品です。これらのソフトウェアは、ドキュメント管理やカレンダー管理機能を備えており、モバイルにも対応するコラボレーションソフトを必要としている日本の中堅企業や中小企業にとって有用です。これらのグループウェアの選定方法については、本記事の末尾をご覧ください。
評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.5星
- 使いやすさ 4.3星
- カスタマーサービス 4.3星
- 機能 4.3 星
- 価格の妥当性 4.4星
Asanaは、さまざまなチームのタスク、プロセス、イニシアチブ (重要な取り組み) をまとめ、作業の調整を支援するコラボレーションソフトです。ドキュメント管理とカレンダー管理機能を備えており、ユーザーが作業を整理できるようにし、リアルタイムでタスクを編集できます。Asanaにはボード、リスト、ガントチャート、カレンダーなどが組み込まれており、モバイルデバイスからリモートでもアクセスできます。
Asanaは、タスク、メッセージ、プロジェクト、ストレージを無制限に使用できるフリーウェアとして提供されています。しかし、管理者コンソール、マイルストーン、タイムライン、ワークフロー、タイムトラッキングなどの高度な機能を利用するには、有料プランへの加入が必要です。価格は、利用できる機能 (プラン) とユーザー数によって決まりますが、全ての機能を利用できる30日間の無料トライアルも用意されています。
評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.5 星
- 使いやすさ 4.5星
- カスタマーサービス 4.3星
- 機能 4.4星
- 価格の妥当性 4.3星
DropBox Businessは、ファイルストレージソリューションとして利用できますが、モバイルデバイスからアクセス可能なデジタルワークスペースとしても活用できます。ドキュメントライブラリやカレンダーの管理、他のユーザーとのコラボレーション、ファイルの同期、リアルタイムでのコンテンツ編集、チームメンバーの作業に対するコメント投稿などを可能とするツールです。通知、ファイルロック、カスタム電子署名、ドキュメント分析などの機能により、ユーザー間のコメントを即座に確認できます。
DropBox Businessでは、フリーランサー向け、チーム向け、大規模企業向けのプランを選択できます。各プランについて、30日間の無料トライアルを利用できます。これらのプランでは3TB~5TBのストレージが標準で利用できるほか、プランによっては必要に応じた容量を使用でき、常時稼働の通知やアラートなどの高度なオプションも用意されています。
評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.4星
- 使いやすさ 4.0星
- カスタマーサービス 4.2星
- 機能 4.4星
- 価格の妥当性 4.3星
Jiraは、アジャイルプロジェクトのマネジメントを簡素化するプロジェクト管理ソフトです。ワークフローの概要が表示され、チームメンバーはプロジェクトボードをカスタマイズし、外出先からリアルタイムで編集できます。進捗状況を可視化するロードマップを使用して、デスクトップやモバイルで作成した作業、チームカレンダーなどを表示、追跡、または関連付けすることができます。担当者が決まっていないタスクにチームメンバーを割り当てるなど、さまざまなステップを自動化し、ドキュメント管理にも役立てます。
最大で10ユーザーが利用できる無料プラン (Free) がありますが、有料プランでは最大で35,000ユーザーが利用できます。有料プランには7日間の無料トライアルがあり、ユーザーはワークフローの統合、インシデントの解決、DevOps、ITオペレーション、社内チームとのコラボレーションを単一のプラットフォームで行うことができます。
評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.7星
- 使いやすさ 4.7星
- カスタマーサービス 4.4星
- 機能 4.4星
- 価格の妥当性 4.5星
MeisterTaskは、Webベースのコラボレーションソフトであり、アジャイルプロジェクト管理に対応しているだけでなく、ユーザーフレンドリーな多くの機能が実装されています。MeisterTaskは、ワークフロー管理スイート「Meister Suite」に含まれるツールの一つであり、静的プロジェクトボードのようなシンプルなワークフローから、カンバンシステムのような複雑なワークフローまでをサポートします。MeisterTaskには、iOSとAndroidのモバイルアクセス、リアルタイムの編集、文書管理、カレンダー管理など、グループウェアの標準的な機能はもちろん、カスタムレポートと分析機能も搭載されています。また、メールからのタスクのインポート、CSV (カンマ区切り) 形式へのタスクのエクスポートが可能です。
シングルユーザーは、最大3つのプロジェクトで、カスタマイズ可能なプロジェクトボード、時間管理、無制限のタスクなど、MeisterTaskのコア機能を無料で利用できます。なお、「プロ」以上のプランでは、作業するプロジェクトとタスクに制限はなく、自動化、レポート、統計、統合を利用できます。
評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.6星
- 使いやすさ 4.5星
- カスタマーサービス 4.5星
- 機能 4.4星
- 価格の妥当性 4.3星
monday.comは、クラウドベースのリモートコラボレーションソフトであり、日本語などの12の言語に対応し、カスタマイズ可能なテンプレートが付属しています。ドキュメントの管理、カレンダーの同期、ファイルの共有、アイデアの提供、タスクの割り当てを行うことができます。また、Webとモバイルの両方から、プロジェクトのステータスをリアルタイムで確認し、タスクを編集できます。さらに、チームメンバーのGPS位置情報を把握して、プロジェクトの状況を監視できます。内蔵されている会議ツールを使用して、問題点を迅速に解決し、すべてのステークホルダーに最新情報を提供できます。
monday.comを無料で試してみたい場合には、無料プランを利用することも、有料プランの無料トライアルを利用することもできます。無料プランでは、無制限のドキュメントと200以上のテンプレートが付属していますが、最大で3ボードと2名のチームメンバーのみがサポートされます。一方、「ベーシック」、「スタンダード」、「プロ」の有料プランの無料トライアルでは、時間管理、チャート、自動化、統合など、数多くの機能を試すことができます。
評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.7星
- 使いやすさ 4.6星
- カスタマーサービス 4.6星
- 機能 4.5星
- 価格の妥当性 4.7星
この共有ワークスペースソフトは、マイルストーンの概念を中心に設計されています。Niftyでは、プロジェクトごとにディスカッションボードとZoomビデオ会議ボタンが用意されており、プロジェクトの問題を迅速に解決できます。ドキュメントを共有するには、Google SheetsとGoogle Docsと統合される「Docs」タブを使用します。ダッシュボードの概要が色分けされているので、プロジェクトを総合的に把握できます。カレンダー管理、リアルタイム編集によるワークロードのバランス調整機能を利用でき、モバイルからも簡単にアクセスできます。
どのプランも14日間無料で試すことができ、必要に応じてダウングレードやアップグレードも可能です。予算追跡、ワークフローの自動化、API、ワークロード管理などの機能が不要な場合には、無料プランを利用することもできます。このプランでも、すべてのユーザーがファイル管理及びタスク管理を使用できます。
評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.7星
- 使いやすさ 4.4星
- カスタマーサービス 4.4星
- 機能 4.6星
- 価格の妥当性 4.6星
Notionのユーザーインタフェース (UI) は簡潔であり、柔軟性の高さが特長です。一つのダッシュボードに、タスク、カレンダー、スプリントをまとめることができます。カードの配置方法や、要素の並べ替え、グループ化、フィルタリング方法はユーザーが自由に設定できます。画像や動画、テキストを追加するなど、ドラッグアンドドロップでページを自由にデザインできます。Notionでは、単一のコントロールセンターからチーム全体のプロジェクト管理、ドキュメント管理、カレンダー更新のためのデータベースを作成したり、Webまたはモバイルデバイスからリアルタイムにコンテンツを編集したりできます。
有料プランでは、数百人のゲスト、数か月分のページ履歴、無制限のファイルアップロードとブロック、さらに分析機能を利用できます。一方、フリー版には、最大で10名のゲストを招待できるオプションに加え、7日間のページ履歴とベーシックなページアナリティクス機能が付いています。また、アイデアのブレーンストーミング、テキストの修正・改善、要約、インサイトをAIが提供する有料のNotion AIアドオンも利用できます。
評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.7星
- 使いやすさ 4.6星
- カスタマーサービス 4.4星
- 機能 4.6星
- 価格の妥当性 4.5星
Slackは、チャンネルと呼ばれる専用の場所にモバイルからアクセスして、コラボレーションできるデジタルワークスペースです。チャンネル内の各ディスカッションボードでは、ドキュメントの共有、Google Driveの通知によるファイル更新の確認、トピックや投稿の検索が可能です。ユーザーは、チャット、ファイルのピン留め、チャンネルへのスター付け、カレンダーアラート、画面共有機能付きのビデオ会議オプション「ハドル」への参加が可能であるため、チームメンバーと最新情報を共有できます。
フリープランでSlackを体験できますが、利用できるのは最大10個のインテグレーション、90日間のファイルアクセスとメッセージ履歴、1対1のハドルミーティングに限られます。リクエストに応じてトライアルが提供されており、ワークフロービルダー、カスタマイズ、シングルサインオン (SSO) オプションなど、さまざまな機能を期間限定で利用できます。
評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.6星
- 使いやすさ 4.6星
- カスタマーサービス 4.3星
- 機能 4.6星
- 価格の妥当性 4.4星
TeamViewerは、主にビデオ会議、Webモニタリング、リモートアクセスに使用されるコラボレーションソフトです。PCやモバイルデバイスをペアリングし、画面や文書の共有、およびビデオ通話を可能にします。TeamViewerのチャットオプションを使用してインスタントメッセージを送信したり、カレンダーを管理したりできます。ユーザーは、コード、招待メール、セッションリンク、またはWhatsAppを介して接続します。また、Web版またはモバイルアプリを使用して、デバイス、接続、ファイルにリモートでアクセスできます。
TeamViewerの個人使用は無料ですが、商用で利用する場合にはライセンスの購入が必要です。ただし、14日間のシングルユーザーまたはチームライセンスの無料トライアルを、リクエストして利用できます。最も基本的なサブスクリプションプランではユーザーは1人で、最大3台の管理デバイスをサポートし、3台のデバイスに接続できます。一方、プレミアム版のユーザー数は15で、300台の管理デバイスがサポートされ、カスタムブランディング、レポート機能、電話による技術サポートが提供されます。
評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.6星
- 使いやすさ 4.6星
- カスタマーサービス 4.4星
- 機能 4.5星
- 価格の妥当性 4.5星
Zoom Meetingsは、画面共有、リアルタイムコメント、HD (高解像度) ビデオシステムの利用、ワイヤレスでのメディア共有機能に加え、録画・文字起こしツールも備えたクラウドベースのビデオ会議ソリューションです。安全なファイル共有機能、カレンダーと連絡先の統合、デスクトップデバイス/ミーティングシステム/電話/モバイルデバイスとの互換性を提供します。
Zoom Meetingsにはいくつかのプランがあり、いずれも30日間の無料トライアルが付属しています。有料プランには、クラウドストレージとプレミアムアプリが付属しています。プランの種類によっては、SSO、翻訳版字幕、ルームとウェビナーも含まれます。無料の基本プランでは、最長40分のミーティング、最大100人の出席者、3つのホワイトボードがサポートされます。また、コラボレーション用のチームチャットや、プラットフォーム独自のメールとカレンダークライアントのベータ版アプリを利用できます。
グループウェアが中小企業にもたらす利点とは?
コラボレーションソフトは、中小企業にさまざまな利点をもたらします。24時間、世界中のどこからでもファイルやカレンダー、最新ステータス、正確な情報にすぐにアクセスできるため、リモートワーカーを抱えるチームは、時差を利用しながら俊敏かつプロアクティブに作業を行うことができます。また、優れたグループウェアを使用すれば、チームメンバー間やサードパーティとのコミュニケーションを改善し、ユーザーの作業効率を高め、生産性と士気を向上させることができます。
本記事で取り上げた製品の選定方法
製品の選定は、以下の基準で行いました。
- 市場定義 キャプテラによる「グループウェア」の定義に該当するツールであること。すなわち、「オンラインまたはイントラネットベースでチームワークを実現するための環境を提供」し、チーム内の情報共有とコラボレーションを可能とすること
- 中核機能 コミュニケーション管理、ファイル共有など、このソフトウェアカテゴリーの中核となる機能を備えているツールであること
- 利用可能な国・言語 日本で利用することができ、日本語に対応していること
- レビュー件数の条件 2022年4月1日から2023年3月31日までの1年間で、検証済みのユーザーレビューが100件以上ある製品であること
- 評価の条件 総合評価で、5つ星中4.5以上の星数を得ていること。また、「使いやすさ」、「カスタマーサービス」、「機能」、「価格の妥当性」においても高評価獲得
- 以上の条件を満たす製品のうち、評価上位10製品を選定