プロジェクト管理ツールを使えば、業務をよりスムーズに進められるだけでなく、チームの協調性の向上や、現実的な目標設定が可能になります。本記事では、日本で利用できる、4.5星以上の総合評価 (5つ星中) を得ているプロジェクト管理ソフトウェアをご紹介します。

目次
プロジェクト管理を長年経験している方でも、初めてプロジェクトを担当する方でも、業務の遂行には多くの要素を考慮しなければなりません。例えば、顧客のニーズに応えることやリーダーの指示に従うことはもちろん、予算や時間の制約の中でチームをまとめたりリソースを確保したりすることも求められます。適切なツールを導入すれば、効率的なプロジェクト管理を実現し、チームのコラボレーションと生産性を向上させることが可能になります。
本記事では、2022年度で最も評価の高かったプロジェクト管理ツールのリストを紹介します。製品の選定にあたり、総合評価で5つ星中4.5以上の星数を獲得しており、過去1年間に100件以上のユーザーレビューが寄せられていることなどを条件としました。選定方法の詳細については、記事の末尾に記載しています。なお、このリストはアルファベット順に記載しています。
1. Adobe Workfront (ワークフロント)

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.4星
- 使いやすさ 4星
- カスタマーサービス 4.4星
- 機能 4.3星
- 価格の妥当性 4.2星
Adobe Workfrontは、ユーザー同士のつながり、コラボレーション、ワークフローの簡素化、プロジェクトの管理、そしてキャンペーンの立ち上げを支援するプロジェクト管理ツールです。Adobe Workfrontでは、自動化機能、テンプレート、リアルタイムレポート、マーケティングに特化したアジャイルボードなどを使用することができ、またAdobe Creative Cloudなどのアプリケーションと直接連携させて、作業のスピードアップを図ることができます。さらに、プロジェクト、目標、チームのキャパシティを一元的に確認できます。
WorkfrontをAdobe Experience Manager Assetsなどのツールと連携させることによって、プロジェクトの計画と実行の合理化、デジタルアセットの使用・保管の管理、作業のコンテキストとステータスの完全な可視化が可能になります。他にも、時間・支出追跡、プロジェクト計画/スケジューリング、ガントチャート/タイムラインビュー、ファイル共有、請求/インボイスなどの機能も利用できます。このソフトウェアには無料バージョンはありません。有料プランの詳細はAdobe Workfrontの公式サイトを確認してください。
2. Asana (アサナ)

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.5星
- 使いやすさ 4.3星
- カスタマーサービス 4.3星
- 機能 4.3星
- 価格の妥当性 4.4星
Asanaは、プロジェクト計画の表示、進捗状況の確認、作業範囲の記述などを1つのダッシュボードで管理できるツールです。Asanaには、時間・支出追跡、プロジェクト計画/スケジューリング、ガントチャート/タイムラインビュー、ファイル共有などの機能が搭載されています。「タイムライン」機能では、プロジェクト計画に開始日や依存関係を設定することにより、作業に変更が発生しても予定通りにプロジェクトを進めて期限を守れます。
さらに、「ルール」機能を使用すれば、一般的なタスクを自動化してミスを減らし、ミッションクリティカルな業務に多くの時間を割けるようになります。また、Asanaではプロジェクトダッシュボードやデータをリアルタイムに一か所で取得できるほか、機密性の高い業務を保護するためにプライベートプロジェクトやコメントのみ設定のプロジェクトを作成できます。Asanaには無料の「Basic」プランが用意されています。有料オプションの詳細については、Asanaの公式サイトを確認してください。
3. Jira (ジラ)

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.4星
- 使いやすさ 4星
- カスタマーサービス 4.2星
- 機能 4.4星
- 価格の妥当性 4.3星
Atlassianが提供するJiraは、プロジェクトの整理に役立つプロジェクト管理システムです。このソフトウェアを使用すれば、作業を完全に制御および可視化でき、大きな目標達成に向けての迅速な意思決定につながります。Jiraの重要な機能には、時間・支出追跡、プロジェクト計画/スケジューリング、ガントチャート/タイムラインビュー、ファイル共有などがあります。また、定められた作業範囲内で必要とするリソースがあるかどうかを確認できます。
さらに、統合型のロードマップで全体像を把握し、ステークホルダーに計画を伝えたり、チーム全体で状況認識を共有したりできます。Jiraは柔軟性が高く、スクラム、カンバン、またはこれらの組み合わせなど、チーム独自の作業方法に対応します。最大で10ユーザーライセンスまで利用できるFree (無料) プランがあります。その他の有料プランの詳細については、Jiraの公式サイトを確認してください。
4. MeisterTask (マイスタータスク)

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.7星
- 使いやすさ 4.7星
- カスタマーサービス 4.4星
- 機能 4.4星
- 価格の妥当性 4.5星
MeisterTaskでは、プロジェクトとタスクの両方を管理でき、一元化されたダッシュボードからすべてのプロジェクト関連タスクを整理して合理化できます。プロジェクトオーナーはガント形式のタイムライン機能を使用して、効率化を図ってチームのタスクを調整できます。さらにカレンダービューでは、タスクのアサインやスケジュール管理ができ、期限を守ることに役立ちます。時間トラッキング機能が内蔵されており、チームの生産性や進捗を常に把握できます。また、データをエクスポートして、チームの分析や予測に活用することができます。
MeisterTaskのその他の機能には、時間・支出追跡、プロジェクト計画/スケジューリング、ガントチャート/タイムラインビュー、ファイル共有などがあります。ダッシュボードのインタフェースはカスタマイズ可能であり、通知、プロジェクト、タスクの概要を一覧できます。MeisterTaskでは、最大3つのプロジェクトを管理できるベーシックプランが提供されています。有料プランの詳細については、MeisterTaskの公式サイトを確認してください。
5. Miro (ミロ)

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.7星
- 使いやすさ 4.5星
- カスタマーサービス 4.3星
- 機能 4.6星
- 価格の妥当性 4.4星
Miroはオンラインホワイトボードなどを利用できるビジュアルなプロジェクト管理プラットフォームであり、ユーザー間のつながり、コラボレーション、さまざまなプロジェクトの共同作業を支援します。Miroを導入することで、オフィスや自宅などチームメンバーがどこにいても、1つのボードで共同作業を進めることができます。Miroの役立つ機能には、時間・支出追跡、プロジェクト計画/スケジューリング、ガントチャート/タイムラインビュー、ファイル共有などがあります。また、Googleドキュメント、Jira、Zoomなど、100以上の外部ソフトウェアとの連携が可能です。
さらに、アジャイルチームがビデオ通話や同じ会議室でミーティングしたり、アイデアを出し合ったり、プロジェクトや依存関係を一元的に可視化したりできます。また、オンラインホワイトボードを利用して、プロジェクト計画の立案、情報構造のマッピング、組織図の作成が行えます。共有スペースを設けることで、誰もが情報にアクセスし、図表を用いて整理しシェアすることができます。Miroの無料版では、1つのワークスペースと3つの編集可能なボードが利用可能です。有料版の詳細については、Miroの公式サイトをご覧ください。
6. monday.com (マンデードットコム)

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.6星
- 使いやすさ 4.5星
- カスタマーサービス 4.5星
- 機能 4.4星
- 価格の妥当性 4.3星
monday.comは、タスク管理、人事業務、マーケティング、ソフトウェア開発、デザイン開発などにも活用できるプロジェクト管理ツールです。Work OS のビジュアルボードを使用することで、プロジェクトや部門を一元的に管理することが可能です。ユーザーは一か所で複数のプロジェクトを効率的に管理し、カスタムダッシュボードを作成することができます。さらに、チームメイトへのタスク割り当てやボトルネック、潜在的リスクの把握もできます。
monday.comには、時間・支出追跡、プロジェクト計画/スケジューリング、ガントチャート/タイムラインビュー、ファイル共有、請求/インボイスなどの機能が搭載されており、チームメンバーや関係者との円滑なコラボレーションや、コミュニケーションギャップの解消、リソースの割り当て、変更のリアルタイム更新が可能になります。無料プランでは最大2人まで利用できます。有料プランの詳細については、monday.comの公式サイトを確認してください。
7. Nifty (ニフティ)

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.7星
- 使いやすさ 4.6星
- カスタマーサービス 4.6星
- 機能 4.5星
- 価格の妥当性 4.7星
Niftyプロジェクト管理システムでは、プロジェクトのプライバシー設定を手動で行い、「ポートフォリオ」内に公開、非公開、または招待制のプロジェクトを作成できます。マイルストーンをガントチャートで可視化することで、プロジェクト目標やスプリントにおけるチームの連携が強化されます。さらに、時間・支出追跡、プロジェクト計画/スケジューリング、ファイル共有などの機能も提供しています。
チームメンバーは作業時間の追跡を行い、仕事量や請求可能時間を管理できます。また、時間記録をプロジェクトやタスクごとに表示したり、日付範囲を設定して表示することができます。タイムシートの印刷、CSVファイルへのエクスポート、PDFファイルとしてのダウンロードも可能です。さらに、ワークフローやナレッジハブを作成し、プロジェクトに費やされた合計時間を一元的に把握できます。無料プランでは2つのプロジェクト用スペースを利用できます。有料プランの詳細は、Niftyの公式サイト(Nifty Project Management)をご確認ください。
8. Notion (ノーション)

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.7星
- 使いやすさ 4.3星
- カスタマーサービス 4.4星
- 機能 4.6星
- 価格の妥当性 4.6星
メモ取りウェブアプリのNotionは、様々な種類や規模の組織に応じたプロジェクト管理ツールとしても利用できます。重要な機能として、時間・支出追跡、プロジェクト計画/スケジューリング、ガントチャート/タイムラインビュー、ファイル共有などがあります。Notionでは、プロジェクトにカレンダービューを追加して、プロジェクトのステージを正確に確認できます。また、優先順位ラベルやステータスタグなどを作成できるため、業務に適したワークフローを構築できます。
さらに、ユーザーが必要とする情報を正確にフィルタリングして並べ替えることができ、自分に割り当てられたタスクや緊急性の高いアイテムだけを効率的に表示できます。複雑なプロジェクトであっても、ユーザーに最も役立つように情報が提供されます。また、Jira、Slack、Figmaなどのプラットフォームと連携させることができます。Notionには、コラボレーションワークスペースが提供されるフリープランがあります。有料プランの詳細については、Notionの公式サイトを確認してください。
9. Todoist (トゥドゥイスト)

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.6星
- 使いやすさ 4.6星
- カスタマーサービス 4.4星
- 機能 4.4星
- 価格の妥当性 4.5星
Todoistは、To Doリストをベースにしたタスク管理ツールとしても利用できるプロジェクト管理ソフトです。Todoistではタスクを一か所で整理でき、プロジェクトの期限を常に意識できるように、期限を通知するリマインダーを自動的に送信できます。また、タスクビューをパーソナライズしたり、ワークフローをカスタマイズしたり、カンバン方式のカードを使用したりできます。さらに「フィルター」機能では、期限、プロジェクト、担当者などに基づいたカスタム画面を表示できます。
また、Todoistをメール、カレンダー、ファイルに接続することで、ワークフローを簡素化することも可能です。その他にも、時間・支出追跡、プロジェクト計画/スケジューリング、ガントチャート/タイムラインビュー、ファイル共有などの便利な機能があります。Todoistでは、週や月ごとの生産性を可視化でき、タスクの遅れを修正するために役立てることができます。無料プランがあります。有料プランの詳細については、Todoistの公式サイトを確認してください。
10. Trello (トレロ)

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.5星
- 使いやすさ 4.5星
- カスタマーサービス 4.3星
- 機能 4.3星
- 価格の妥当性 4.5星
Atlassianが提供するTrelloは、タスクの整理、期限の管理、チームメンバーの調整を支援するプロジェクト管理ツールです。Trelloには、時間・支出追跡、プロジェクト計画/スケジューリング、ガントチャート/タイムラインビュー、ファイル共有、請求/インボイスなどの機能があります。Trelloの管理ボードやロードマップの機能を利用すれば、複雑なプロジェクトやプロセスを簡素化できます。
さらに、Slack、Jira、Confluence、Gmail、Sunsama、Hootsuiteといった他のプラットフォームとも連携させることができます。Trelloのボード、リスト、カードを使用すれば、プロジェクトの整理と優先順位付けを柔軟に実行できます。Trelloでは、1ワークスペースあたり最大10枚のボードを利用できる無料プランが用意されています。有料プランの詳細については、Trelloの公式サイトを確認してください。
プロジェクト管理ツールの購入時に考慮すべき点は?
適切なプロジェクト管理ツールを選択するには、自社のビジネスニーズを総合的に評価しましょう。例えば、無料版を利用できるソフトウェアを必要としているのか、高度な機能を利用できる有料版を必要としているのかを確認する必要があります。プロジェクト管理ツールには、特定のビジネスニーズに対応できるようにカスタマイズしたり、他のサードパーティソフトウェアと連携したりすることが可能なバージョンを提供しているものがあります。自社のニーズを慎重に評価して把握することで、適切なプロジェクト管理ツールを選択できます。
本記事で取り上げた製品の選定方法
製品の選定は、以下の基準で行いました。
- 市場定義 キャプテラによる「プロジェクト管理ツール」の定義に該当するツールであること。すなわち、プロジェクトのあらゆる段階で「タスクの割り当て、リソースの配分、スケジューリング、マイルストーンの追跡などを自動化することができ、『協調型』、『トップダウン型』、または『統合型』のアプローチで管理を行う」システムであること
- 中核機能 コラボレーション、報告/プロジェクト追跡、タスク管理など、このソフトウェアカテゴリーの中核となる機能を備えているツールであること
- 利用可能な国・言語 日本で利用することができ、日本語に対応していること
- レビュー件数の条件 2022年4月1日から2023年3月31日までの1年間で、検証済みのユーザーレビューが100件以上ある製品であること
- 評価の条件 総合評価で、5つ星中4.5以上の星数を得ていること。また、「使いやすさ」、「カスタマーサービス」、「機能」、「価格の妥当性」においても高評価獲得
- 以上の条件を満たす製品のうち、評価上位10製品を選定