ハイブリッドワーク時代の効率的なプロジェクト管理は、オンライン上の「コラボレーションの場」を持つところから始まります。本記事では、プロジェクト管理機能を持つグループウェアの中から、ユーザーに最も人気のあるツールを紹介します。

プロジェクトを進める上で、円滑なコラボレーションを行うことはとても重要です。そのため、プロジェクト管理ツールとグループウェアの垣根を越えたプラットフォームが広く使われるようになってきています。
前回のツール比較記事では国産のグループウェアを紹介しましたが、ここではコラボレーションの根幹となるコミュニケーション管理とファイル共有の他に、プロジェクト管理の機能を持つツールを取り上げます。製品の選定方法につきましては、キャプテラに投稿されているレビュー数 (過去1年間で100件以上) や総合評価 (4.5星以上) といった「ユーザーからの人気度」を基準にしています。さらに、無料プランを提供している日本語対応のツールに絞りました (選定方法の詳細は文末をご参照ください)。なお、掲載はアルファベット順としています。
レビュー評価の高いグループウェアTOP4【無料プランあり】

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.5星
- 使いやすさ 4.3星
- カスタマーサービス 4.3星
- 機能 4.3星
- 価格の妥当性 4.4星
Asanaでは、リスト形式やカンバン形式のボードで、業務を共有プロジェクトとして管理できるようになっています。プロジェクトを細かいタスクに分割し、さらにサブタスクを設定して階層化することができます。また、ゴールやマイルストーンを設定することにより、プロジェクトの目標が明確になります。
Asanaでのコミュニケーションは、メッセージング機能とコメント機能を通じて行われます。コメントは個別のタスクまたは画像などのファイルに対して書き込むことができるので、細かい確認などに役立ちます。アップロードできるファイルの数には制限はありませんが、1つのファイルの最大サイズは100MBまでです。それ以上のファイルを添付する場合は、外部のファイル共有サービスと連携しなければなりません。
無料版でも一通りの機能が揃っているので、個人や小規模チームであれば十分に活用できるでしょう。タイムライン、ワークフロービルダー、より高度な検索、などを利用するためには有料プラン (Premium、Business、Enterprise) へアップグレードする必要があります。詳細はAsanaのサイトをご確認ください。
主な機能
- カレンダー
- 通知設定
- API連携
- タイムライン
- モバイルアプリ

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.7星
- 使いやすさ 4.5星
- カスタマーサービス 4.6星
- 機能 4.3星
- 価格の妥当性 4.4星
Miroは、共有ホワイトボードをコンセプトにした、特にビジュアルなオンラインコラボレーションに向いているツールです。ボードに書き込みや資料の貼り付けができる仕組みになっていますが、プロジェクト管理用のテンプレートもいくつか用意されています。タイムライン、ガントチャート、ワークフロー、作業分解図など、用途やニーズに合わせてテンプレートを選ぶことができます。
コミュニケーション機能につきましては、付箋を使ってコメントを入れることができる他、有料版では内蔵されたビデオチャットを使えるのでリアルタイムの議論やプレゼンテーションに便利です。
フリープランではボードに参加できるメンバー数は無制限ですが、並行して編集できるボードの数は最大3つまでです。また、全200種類以上の既成テンプレートを使うことができ、多数の外部ツールと連携できます。高度なユーザー管理機能、タイマー設定、ビデオチャット、SIEMセキュリティとの統合などが必要な場合は、「Starter、Business、Enterprise」のいずれかの有料プランに加入しなければなりません。詳細は、ベンダーのWebサイトにてご確認ください。
主な機能
- ドキュメント作成
- 通知設定
- API連携
- ビデオチャット
- タイムライン
- モバイルアプリ

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.7星
- 使いやすさ 4.3星
- カスタマーサービス 4.5星
- 機能 4.6星
- 価格の妥当性 4.7星
Notionとは、「ブロック」を組み合わせてオンラインページを作成するためのツールです。ページには文章だけではなく、画像や動画を埋め込むこともできるので、様々な用途のドキュメントを構築することが可能になります。
プロジェクト管理用のテンプレート (ロードマップ、ToDoリストなど) を使用することで、業務のスケジュール調整やタスク割り当てなどを行うことができます。また、各ページにチャットルーム形式のコメント機能があり、フィードバックなどのやり取りをするのに役立ちます。
無料のフリープランでは、1ファイルにつき最大5MBまでしかアップロードできず、また、複数メンバーで使う場合ブロックにも制限がかかります。有料プラン (プラス、ビジネス、エンタープライズ) では、それらの制限がなくなります。詳細はベンダーの料金ページをご覧ください。
主な機能
- ドキュメント作成
- タイムライン
- チャット
- ToDoリスト
- モバイルアプリ

評価ポイント (5つ星満点中)
- 総合評価 4.5星
- 使いやすさ 4.5星
- カスタマーサービス 4.3星
- 機能 4.3星
- 価格の妥当性 4.6星
タスク管理ツールとしてお馴染みのTrelloですが、グループウェアとしても活用できるツールです。プロジェクトは「ボード→リスト→カード」と階層化して整理されますが、カードには期限を設定したり、ファイルを添付したり、チェックリストなどを追加することもできます。
また、各カードにコメント欄が設けてあり、チームメンバーのメンションやスレッドのフォローができるグループチャットとして機能します。それにより、ステークホルダーは情報共有をしたり進捗状況を確認し合ったりすることを通して、プロジェクトのコラボレーションを実現します。
無料プランからストレージ容量は無制限で、ボード (プロジェクト) に追加できるメンバー数にも制限がありません。ただし、添付ファイルの大きさは10MBまでで、表示形式は「ボードビュー」のみとなります。また、一部の「Power-Up」と呼ばれるアドオンには追加料金も発生します。詳しい料金体系はベンダーのWebサイトで公開されています。
主な機能
- チャット
- API連携
- カレンダー
- 通知設定
- ToDoリスト
- モバイルアプリ
おわりに
グループウェアを活用することで、プロジェクトを効率的かつ有効に管理することができます。今回ご紹介したツールは、全てブラウザまたはモバイルアプリからでもアクセスできるので、リモートチームも不自由なく利用できます。まずは無料プランでお試しすることをおすすめしますが、アップグレードを検討する際には、どのサービスもユーザーごとに課金されることを念頭に置いてください。実際にツールを利用する予定人数など、自社のニーズに合わせて適切なサービスを選びましょう。
本記事で取り上げた製品の選定方法
製品の選定は、以下の基準で行いました。
- 市場定義 キャプテラによる「グループウェア」の定義に該当するツールであること。すなわち、「オンラインまたはイントラネットベースでチームワークを実現するための環境を提供」し、チーム内の情報共有とコラボレーションを可能とすること
- 中核機能 コミュニケーション管理、ファイル共有など、このソフトウェアカテゴリーの中核となる機能を備えているツールであること
- プロジェクト管理機能 グループウェアの中核機能に加えて、プロジェクトの遂行に必要な人員・費用・期間を設定し管理するための機能を備えていること
- 利用可能な国・言語 日本で利用することができ、日本語に対応していること
- 価格オプション 無料プランを提供していること
注意:掲載内容は2022年12月時点での情報です。最新の情報は各ベンダーへご確認ください。