アジャイルプロジェクトマネジメントとは?導入にあたって知っておくべきこと

2022/10/21 投稿者: Shubham GuptaおよびAlberto Sakai

ソフトウェア開発のプロジェクト管理には、テストを繰り返したり、ユーザーのフィードバックを管理したり、多くの労力が費やされます。このガイドでは、「アジャイル」の手法を活用して、効率的なマネジメントを実現する方法を説明します。

アジャイルプロジェクトマネジメントとは?

「アジャイル型」のプロジェクト管理は、作業の質を高め、短期間で優れた成果を上げることで知られています。しかし、ガートナーが行ったアプリケーション開発に関する調査によると、日本国内で アジャイル開発を採用している企業は17%に過ぎません。また、規模が小さく、従業員数が少ない企業ほど、アジャイルの導入が少ない傾向にあります。その理由は、そもそもアジャイルへの理解が広がっていないからだと考えられますが、高度なプロジェクト管理を目指すならば、アジャイル開発を取り入れることを視野に入れるのも良いでしょう。

本記事では、アジャイルプロジェクトマネジメントという手法の概要、使うべきタイミング、そしてアジャイルの重要なコンセプトについて説明します。この記事をご参照いただき、ぜひ自信を持ってアジャイル開発の導入にお役立てください。

アジャイルプロジェクト管理とは?

アジャイルプロジェクト管理とはアジャイル手法に基づいたマネジメントのことですが、柔軟性顧客満足度、プロジェクトチームのコラボレーション、及び反復型開発 (プロジェクトを小さなステップに分割すること) が重要視されます。

アジャイル手法は、プロジェクトを「スプリント」と呼ばれる小さな漸進的なサイクルに分解できることから、要件が複雑なプロジェクトに適しています。従来のプロジェクト管理手法と比較すると、アジャイル手法はプロジェクトのライフサイクルを通して変更することが可能であり、適応力に優れていると言えます。

どのような場合にアジャイルプロジェクト管理を導入するべきか

アジャイル手法のポイントは、変化への優れた適応力です。しかし、すべてのプロジェクトで同じレベルの変化が求められるわけではありません。では、どのような場合にアジャイル手法を取るべきなのでしょうか?

続いて、アジャイル手法に適した状況をいくつか紹介します。

  • プロジェクトが複雑で不確実である  プロジェクトに未知な部分が多い場合は、アジャイルプロジェクト管理アプローチを用いて、不確実性や変化に柔軟に対応できます。
  • 顧客がプロジェクトに深く関わっている  アジャイルの手法は、コラボレーションと顧客からのフィードバックを重視するため、顧客との連携が密となるプロジェクトに最適です。
  • プロジェクトが時間的制約を受けている  アジャイルプロジェクト管理の手法では、早く納品することができ、途中で変更を加えることができるため、時間的な制約のあるプロジェクトに適しています。

【アジャイル手法が必要なプロジェクト】

アジャイル手法は、さまざまな業界や市場に適用できますが、プロジェクトによってはアジャイル手法が不可欠の場合もあります。

・ソフトウェア開発プロジェクト  ソフトウェア開発はその性質上、複雑で刻々と変化します。そのため、フィードバックと修正が常に可能なアジャイル手法は、ソフトウェア開発プロジェクトに特に適しています。

・ITインフラストラクチャのプロジェクト  ITインフラストラクチャの構築やアップグレードを伴うプロジェクトも、アジャイル手法に適しています。アジャイル手法であれば、このようなプロジェクトにありがちな不確実性や変化にも柔軟に対応できます。

・Webサイトの設計や開発プロジェクト  新しいテクノロジが次々に登場しているため、Webサイトは常に進化しています。アジャイル手法は、こうした変化にも柔軟に対応できます。

・マーケティングキャンペーン  日々変容するマーケティング環境でも、アジャイル手法を取り入れれば企業は柔軟に対応できます。これは、マーケティングキャンペーンを成功させる上で重要な側面です。

・研究開発 (R&D) プロジェクト  研究開発プロジェクトでは、多くのテストと学習が行われます。アジャイル手法を採用すれば、研究開発ビジネスは新しいアイデアをすばやくテストし、導入できるようになります。

従来型プロジェクト管理とアジャイルプロジェクト管理の違い

従来のプロジェクト管理とアジャイルプロジェクト管理を比較することで、後者の優れている点が明確になります。

従来型プロジェクト管理アジャイルプロジェクト管理
- リニアでシーケンシャルなアプローチ - 柔軟でインタラクティブなアプローチ
- プロジェクトの計画と管理に重点を置く - プロジェクトのコラボレーションとステークホルダーの関与に重点を置く
- 目的が明確で、不確定要素の少ないプロジェクトに適している - 複雑で不確定要素の多いプロジェクトに適している
- 各タスクを完了させないと次のタスクが開始されない「ウォーターフォール」手法を採用 - プロジェクトを小さな単位に分割し、任意の順序で完了させる「スプリント」手法を採用
- 厳格で規範的 - 柔軟で適応力が高い
- 建設業など、物理的なリソースやプロジェクトの管理に主に使われる - ソフトウェア開発などのデジタルプロジェクトに使われ、従来の物理的なプロジェクトには適さない

アジャイルプロジェクト管理の4つのコアバリュー

プロジェクトのコアバリューとは、プロジェクトチームにとって何が重要で、プロジェクトを通して何を重視すべきかを定義するための指針となります。アジャイルチームは、プロジェクトを成功させるために以下の4つのコアバリューを基軸にします。

  1. プロセスやツールよりも、個人とコミュニケーションを重視 最終的にプロジェクトの成功を左右するのは「ヒト」です。従って、アジャイルプロジェクトでは人間が最も重要視され、常に優先されます。
  2. 詳細な資料を作成することよりも、正しく機能するソフトウェアを開発することを重視 プロジェクトチームは、必要に応じていつでもドキュメントを作成できますが、正しく機能する製品を開発できなければ意味がありません。したがって、機能する製品を開発することが常に優先されます。
  3. 契約交渉よりも、顧客とのコラボレーションを重視 契約などを通じて組織を守ることを過度に優先してしまうと、取引を失うリスクがあります。それより、顧客と連携して意見やフィードバックを取り入れ、関係を強化することが得策です。
  4. 計画に厳格に従うことよりも、変化に対応することを重視 プロジェクトのニーズが変化し、意味を失ったかもしれない計画に固執するよりも、柔軟に適応する方が合理的です。

アジャイルプロジェクト管理の12の原則

顧客満足、納期遵守、継続的改善を基礎とするアジャイルの12原則は、効率的なプロジェクト進行とその目標達成のために大切な行動指針です。

  1. 顧客満足を最優先すること  顧客はなによりも重要であり、顧客のニーズは常に優先されるべきです。
  2. 正常に機能するソフトウェアをすばやく提供すること  正しく機能するソフトウェアを期限内に納品する必要があります。
  3. 変更を歓迎し、早期に受け入れること  プロジェクトライフサイクルのできるだけ早い段階で、変更を受け入れ、実際に変更するべきです。
  4. ビジネスチームとアジャイル開発チームの間で緊密にコラボレーションすること  これにより、2つのグループ間の絶え間ないコミュニケーションが確保され、すべての関係者が情報を共有できます。
  5. ビジネス部門と開発部門の連携を実現させること  プロジェクトを成功させるためには、この2つの部門のコラボレーションが常にスムーズであることが大事です。
  6. やる気のあるスタッフを中心にプロジェクトを構築すること  やる気があり、発言権のある人材がプロジェクトに携わるべきです。
  7. 対面での会話は最良のコミュニケーションと考えること  コミュニケーションは直接会って行うのが一番です。なぜなら、お互いの意思が明確に伝わり、簡潔に済むからです。
  8. 進捗の主な指標に、動作するソフトウェアを使用すること  進捗は、プロジェクトに費やした時間の長さではなく、正常に機能するソフトウェアがどこまで完成しているかを確認することで測られます。
  9. 持続可能な開発ペースを維持すること  開発のペースは、長期的に維持できるペースであるべきです。
  10. 卓越した技術と優れたデザインに対し、継続的に注意を払うこと  ソフトウェアには優れた設計が必要であり、また常に改良する必要があります。
  11. 忘れてはならないのは、シンプルであること  ソフトウェアは、使いやすく理解しやすいように、できるだけシンプルにする必要があります。
  12. 自律的に組織化できるチームを後押しすること  アジャイルチームが、自ら生産的に組織化できるようにすることが大切です。
アジャイル開発導入のポイント

適切なソフトウェアでプロセスを簡素化!

アジャイル手法を初めて導入するときは「難しそう」だと感じるかもしれませんが、上記で紹介したヒントを参考にしてぜひ挑戦してみてください。

また、プロジェクトマネージャーとして、 アジャイルプロジェクト管理ソフトウェアなどの プロジェクト管理ツールを使用してタイムラインを可視化すれば、製品開発に必要な変更やアクションの計画をより正しく策定できます。このようなソフトウェアを使用し、プロジェクトの各ステップにおいて顧客のフィードバックを取り入れることで、顧客のニーズや嗜好への適応が容易になるでしょう。

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この記事で言及されている製品、プログラム、サービスは、国によっては提供されていないか、法令や規制により制限されている可能性があります。製品の提供状況や、国・地域の法令遵守に関しては、ソフトウェア・プロバイダーに直接お問い合わせください。

筆者紹介

Shubham is a writer at Capterra.

Shubham is a writer at Capterra.

酒井アルベルト。マドリード・コンプルテンセ大学情報学部卒業。学術博士 (千葉大学)。NHK国際放送アナウンサー、琉球大学准教授を経て、現在はキャプテラにてシニアコンテンツアナリストを務める。技術・社会・ビジネスの観点からのコミュニケーションに関心がある。

酒井アルベルト。マドリード・コンプルテンセ大学情報学部卒業。学術博士 (千葉大学)。NHK国際放送アナウンサー、琉球大学准教授を経て、現在はキャプテラにてシニアコンテンツアナリストを務める。技術・社会・ビジネスの観点からのコミュニケーションに関心がある。