リモートワークのハードルが高いと感じてしまうこともありますが、決して厄介なものではありません。この記事では、リモートチーム管理を容易にし、作業負荷を軽減するための5つのツールを紹介します。

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労働者のグローバル化、また最近では新型コロナウイルスの感染拡大により、リモートワークが広がっています。ガートナーの予測では、Z世代 (2022年時点で10代~20代中盤の世代) が働くようになる2025年には、 日本企業の30%がリモートワークを導入するとされています。
しかし、リモートワークはスタッフにとって魅力的なインセンティブであるだけでなく、従業員の生産性向上にも寄与します。ギャラップの調査により、 60%~80%の時間をリモートワークしている従業員は、他の従業員と比べると職場に対する貢献度が高いことが明らかになっています。これらのテレワークを行う従業員は、製品やサービスの品質の改善や企業の収益の向上にも貢献しています。
一方で、次のようなリモートワークならではの課題もあります。
- オフィスのネットワーク外にあるデバイスのデータセキュリティを確保するにはどうすればよいか?
- 地理的に分散しているチームとコラボレーションするにはどうすればよいか?
- 納期や仕事の品質に対する、従業員の責任意識を高めるためにはどうすればよいか?
いずれも複雑な課題ではありますが、幸いにもシンプルな解決策があります。専用のソフトウェアツールを使用すれば、これらの課題に対応することができます。この記事では、 タスク管理ソフトを含むこれらのツールを紹介しながら、効果的なリモートワークを実現するための活用方法を説明します。

企業安全性確保のためのエンドポイントセキュリティソフト
ノートパソコン、スマートフォン、サーバなど、企業ネットワークに接続するデバイスは、すべてエンドポイントと呼ばれます。これらのエンドポイントは、マルウェア攻撃やウイルスの影響を最も受けやすい場所です。エンドポイントセキュリティソフトを使用すれば、これらのエンドポイント・デバイスを容易に保護することができます。
エンドポイントセキュリティソフトとは?
エンドポイントセキュリティソフトは、企業ネットワークにリモートで接続するデバイスのセキュリティを確保するためのツールです。このツールにより、システム管理者とITセキュリティ部門は、セキュリティの脅威と状況を、一元化されたダッシュボードから常にリアルタイムで追跡することができます。特定した脅威は、即座にタグ付けし、必要に応じてエスカレーションし、管理することができます。
このソフトウェアに共通する機能には、パッチの適用やソフトウェアアップデートのインストール、デバイスの許可と制御、Webサイトにアクセスする際のセキュリティ対策などがあります。

製品選びのポイント
すべてのエンドポイントセキュリティソフトが、リモートデバイスのセキュリティ対策をすべてカバーしているわけではありません。例えば、ウイルス対策やマルウェア対策のみを提供するツールがあります。そのため、ツールを購入する前に、そのツールが自社のセキュリティニーズを満たすものであるかを確認してください。
ビデオ会議システムでバーチャル会議を実施
最近では会議の多くがオンラインで行われています。オンライン会議は対面での会議に代わるものではありませんが、企業にとっては地理的な制約にとらわれず業務を進めることができる利点があります。
ビデオ会議システムとは?
ビデオ会議システムは、ビデオ通話を介してバーチャル会議を開き、コラボレーションを実現するツールです。また、ファイルを共有して注釈を付けたり、コメントしたりすることによって、共同作業を行うこともできます。
この種のツールには、アプリケーション内のチャット、仮想ホワイトボード、画面共有、出席者管理、通話録音などの機能が搭載されています。

製品選びのポイント
セッションに参加できる出席者数や一部の機能 (電話参加、テキストメッセージなど) は、ツールやサブスクリプションパッケージごとに異なります。そのため、各料金プランで参加できる出席者数を確認し、予算内で必要な機能を満たしている製品を選ぶようにしましょう。
コラボレーションツールで共同作業を促進
リモートワークの導入によって社内外とのコラボレーションが制約されてしまうことを懸念している会社も少なくないでしょう。しかし、コラボレーションツールを使えば、遠隔コラボレーションやチーム内のコミュニケーションを簡単に行うことができます。
コラボレーションツールとは?
コラボレーションツールは、チームメンバーの連携を促進するソフトウェアです。テキスト・音声・ビデオによるコミュニケーション、進捗報告、資料の共有、フィードバックなどに使うことができます。
コラボレーションツールに共通する機能には、個人へのコメントやタグ付け、ファイル共有、グループディスカッションなどがあります。

製品選びのポイント
ツールが対応できるチーム規模をベンダーに確認して、自社のチームの規模とマッチしているかに気をつけることが大事です。なお、ツールのバージョンや価格プランによっては、外部とのコラボレーションなど、一部の機能が利用できない場合があります。購入前にプランごとの機能制限を十分に確認しましょう。
確実な作業進行のためのタスク管理ツール
プロジェクトの個々のタスクをリモートで管理するのは容易ではありません。各メンバーにタスクの要件を指定したり、頻繁に進捗報告を求めたりすることが困難な場合もあります。タスク管理ツールでは、こうした作業の管理を円滑に行うことができます。
タスク管理ツールとは?
タスク管理ツールを使用することで、プロジェクトを一連のタスクに分割し、各タスクを個別に計画、割り当て、優先順位付け、スケジューリング、監視することができます。
タスクに設定された期日が過ぎた場合は、管理者に通知が自動送信されるので、タスクの担当者に状況確認をすることができます。

製品選びのポイント
タスク管理ツールには、カンバンボードやガントチャートなど、タスクを可視化するさまざまな機能が搭載されています。カンバンボードには、タスクに関する重要な情報が表示されます。一方ガントチャートは、タスク間の詳細な依存関係を視覚的に示します。タスク管理ツールを選定する前に、チームが必要とする可視化機能を備えているかどうかをベンダーに確認しましょう。
キャプテラの 購入ガイドには、タスク管理ツールの一般的な機能や購入時に考慮する点など、より詳しい情報が掲載されています。また、こちらの タスク管理ツール比較記事では、市場で人気を集めるトップ5のツールを紹介していますのでぜひご覧ください。
時間管理ツールで正確に勤務時間を把握
リモート従業員の時間を記録することは、もはや面倒な作業ではありません。時間管理ツールを使用すれば、リモートで勤務時間を追跡・記録できるようになります。
時間管理ツールとは?
時間管理ツールは、従業員がスマートフォンやパソコンを介して出勤・退勤時刻を記録できるツールです。一部の製品では、GPSを使用して出勤時の位置情報を追跡し、正確な時刻と位置情報が記録されます。これは、モバイルワーカーを追跡する必要があるフィールドサービス企業などには大変役に立つでしょう。
また、時間管理ツールの中には、社員がスケジュールや出勤ポリシーを守らない場合に通知を送信するものもあります。

製品選びのポイント
時間管理ツールは、スタンドアロン製品として、あるいは ワークフォース管理システムや 人事分析ソフトなどの製品スイートの一部として提供されています。自社が必要とする機能とITにかけられる予算を考慮して、適切なタイプを検討してください。
ソフトウェアによる効果的なリモートワークの促進
効果的なリモートワークがもたらすメリットを金額に換算してみましょう。従業員のエンゲージメントが高ければ 生産性が平均15%向上し、従業員1人当たり8,000ドル (約115万円) のコストを削減できます。このコスト削減を積み重ねていけば、年間400万ドルの削減となります。
このようにコストと生産性のメリットをもたらすリモートワークを、人事やオペレーションの戦略に組み込むことは一考の価値があります。しかも、適切なソフトウェアを使用すれば、リモートワークの導入は決して難しい話ではありません。
最後に、適切なソフトウェア選びに役立つポイントを紹介しましょう。
- カスタマーレビューを読む 最適なツールの選択に苦労している場合は、 キャプテラなどのサードパーティのWebサイトでユーザーレビューを確認しましょう。ツールの性能、価格オプション、使いやすさ、サポートに関する中立的な意見を拾うことができます。
- チームと話し合う ツールのエンドユーザーとなるのは当該チームのメンバーです。どのような機能が有用なのかを確認し、チームにとっての使いやすさを優先しましょう。デモを依頼して、ユーザーインターフェースの使い勝手を確認することもおすすめします。
また、ツールを使用するためには特別なトレーニングが必要か否か、必要な場合は追加料金が発生するかどうかをベンダーに確認すると良いでしょう。
注:本記事で紹介された製品は、各機能の例として取り上げられており、勧誘・推奨を意図したものではありません。掲載されている情報は、掲載時に信頼できると判断された情報源から入手されたものです 。